わが友ホロゴン・わが夢タンバール

39.5 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」5 トランペットの音が煉瓦道の上を走り


[旅のメモ]
実は、昨日の夜、ブログを書き終わって、
さて、それじゃ、オンザロックの宵を楽しんじゃおう!
フラスコを取り出し、手に置いて、慈愛に満ちた目で眺めました。
打ち出しで、とても形のよいフラスコです。
氷は、エレベーターの横に製氷器を見つけました。
すでに、コップに氷が入っています。
あとは、トクトクトクトクとウィスキーを注ぐだけ。
やおらキャップを回しました、
いや、回そうとしました。
回らないっ!
いくらやっても、回らない!
がちっと食い込んだ感じ。
思い出しました、空港の保安検査係の男がフラスコをチェックしたのです。
「キャップ開けて、臭いをかがせて頂きますよ」
言うより早く、手はすでにキャップを回し始めています。
においをかいで、「結構です」
きっとそのとき、この男、キャップをギューギューに締め付けたのです。
振動で開いたりしないようにという親切心からなのでしょう、
でも、この男、ひょっとしたら保安担当の猛者、それとも指相撲の横綱?
その指は馬鹿力だったのだ!
苦闘数分、結局あきらめたんだね、うふふ、
などというあなた、私のことがわかっていない。
一度楽しむと決めたからには、この程度であきらめてたまりますか!
フロントに電話、「ペンチありませんか?」
「ございません」
「工具箱位、夜間の緊急事態に備えて用意しておくもんだろう」
なんて発言は、紳士である私、けっしていたしません。
「それじゃ、輪ゴムありませんか?」
「輪ゴムならございます」
さっそくフラスコを持ってフロントに直行。
10本ばかり束ねてキャップにギリギリ巻き付け、回しました。
10秒程度でするりと回転。
私、フロントの方に御礼もそこそこに部屋に戻りました。
さて、これで幸せな時が流れた、そうお考えの方が居られたとしたら、
甘い、甘い!
オンザロックをつくって、やおら一口頂いたのです。
「おっ、えっ?」
このウィスキー、妻の友人が私へのおみやげに持ってきたもの。
「おいしいお酒ですよ」とその友人。
運の悪いことに、その方、デンマーク人だった!
そして、デンマーク人の味覚はやっぱり日本人とはちょっと違う!
せっかく苦労して作ったオンザロックなのです、
苦労して全部頂きましたが、
なんだか甘みが強くて、香りもなじみがない。
フラスコに詰めるとき、なんで試飲しなかったのだ、このバカ!
39.5 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」5 トランペットの音が煉瓦道の上を走り_c0168172_20414317.jpg

さて、肝心のネパール写真展、
少女シリーズをちょっとお休みして、次は少年シリーズ。
最初に、私が今回の旅で撮った写真中、ベスト3と考える写真です。
バドガオンの街を歩いていると、
突然、背後からにぎやかな吹奏楽が聞こえはじめ、
だんだん近づいてくるではありませんか?
戻ってみると、一群の吹奏楽団が行進してくるのです。
大人も混じっていますが、大半は少年少女。
先頭のトランペット吹き数人に、一人の少年が混じっています。
この少年をやり過ごして、その背後にするっと割り込み、
彼の耳元ほとんど2,30センチのところにホロゴンを突き出して、一枚。
私にホロゴンウルトラワイドを進めてくれた御仁の言葉を思い出します。
「ホロゴンってええでえ!
空気まで写るねんでえ!」
この写真を見るたびに、
この少年のトランペットの音が煉瓦道の上の空気を震わせ、
前方の空に突き抜けてゆく、そんな感じがするのです。
by Hologon158 | 2008-11-08 21:21 | ホロゴン写真展 | Comments(2)
Commented by andoodesign at 2008-11-09 09:23
ははっ、ヘマをしましたね...。
僕も釣行の際、合間にエスプレッソを飲みたいと思い、バーナーにエスプレッソマシンを持参して渓流を歩き、さて、そろそろ一服と準備を初めて気がつきました。
エスプレッソ用に挽いたコーヒーがザックに入ってない...。
さっさと白湯を飲んで歩き始めました。

で、今日のお写真、見事なパースペクティブが少年が前方に向かう勢いを感じさせてくれています。
画面左の減光から右側の逆光までしっかり写し出していて、ホロゴンの実力が発揮されている一枚ですね。
Commented by Hologon158 at 2008-11-10 17:00
re)andoodesignさん
代わりにビールを呑んでいます。
就寝前の1時間、好きな本を読みながら頂くビール、
これが旅の醍醐味の一つです。
おかげでぐっすりと眠れます。
。実は、最後の文章は文学的誇張です。
実は、私、不眠になったことがない。
旅に出ようが、家に居ようが、「お休み」と言って、数秒後には眠っています。
どんなに明日いやなことが待っていても、そうなのです。
才能、と言いたいところですが、実は生まれつき。