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39.42 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」42 私も香具師の口車に乗ってしまったことが

39.42 ホロゴン写真展2「2003年夏のネパール」42 私も香具師の口車に乗ってしまったことが_c0168172_17531324.jpg

前回の記事をアップした後、ちょっと心配になりました。
私も、なにか似たような癖があるのではと疑われるおそれがあるな。
この際、しっかりと申し上げておきますが、
私はそんな物見高い人間ではありません。
と、ここまでは間違いのないところなのですが、
ここで、ふっとまずいことを思い出してしまいました。
香具師の口車に乗ってしまったことがあるな…
十数年前、妻と台湾ツアーに参加したのです。
もちろん何個所もおみやげ物屋に連れて行かれました。
元来私はなんにも買わない主義なので(生来ケチなうえ、金がない!)、
おみやげものには一切関心がありません。
おみやげ物屋にツアー一行が入ると、私は外で写真を撮っています。
ときどき店員さんが走ってきます、
「ご主人さん、ご主人さん、奥さんがちょっと来て欲しいって言ってるよ」
事件は台北の大きな漢方薬のお店で起こりました。
このときは、ツアー一行ぞろぞろぞろと2階に上らされ、
小さな舞台を取り巻くように置かれた椅子に案内されました。
一行の中には、東大医学部を首席で卒業したと幾度も尊大に豪語される、
都内某医大の教授も居られました。
男性の店長さんが流ちょうな日本語で売り込みにかかりました、
「これは、画期的なやけどの薬ですよ、
どんなにひどいやけどでも、この薬をたっぷり付けて、
タオルでやさしくくるんでおけば、さっと直ります。
ほんとかどうか、やってみましょう。
実験台は女子店員さん。
痛いので、みんないやがります。
だから、くじ引きでやってもらっています。
みなさん来てくださーい」
3人の女性店員が見るからにいやそうな表情で部屋に入ってきました。
くじが引かれ、2人はほっとした表情で退室。
別の男が金だらいを持ち込み、ツアー一行に中を見せてくれました。
沸騰直後であるらしく、ぐつぐつと沸き立っています。
「さあ、ここに熱湯を用意しました。
皆さん、手をつっこんでみますか?」
私も含めて、誰も手を出さず。
店員さん、人身御供の女性店員の前腕にバッシャーン!
「キャー!」
私も含めて、一同、首をすくめて怯え顔。
店長さん、真っ赤になった前腕にさっと軟膏を塗り、タオルをかぶせました。
女性店員、ぶすっとした表情で側の椅子に座り、手をさすっています。
店長さん、それから、その薬の効能、使い方を面白おかしく、怒濤の説明。
幕間の十数分がたち、
「じゃ、やけどが治ったかどうか、見てみましょう。来てください!」
席を立って、タオルをおそるおそる取り外す女性店員、
手は真っ白、ほっとする女性店員。
デモは大成功、ツアーの一行、ほとんどみんな買いましたね。
私たち夫婦も1個、医大教授ときたら2個も!
帰国後、なんだか腑に落ちない私、親友にちょっと話してみました。
京大工学部を出て就職した後、一念発起、大学に戻って、心理学を学んで、
心理療法の大家となった大学教授。
彼、ふふっと笑って、
「それ、沸点の低い液体だよ」
京大が東大から一本取った一幕でした。
でも、私も台湾から一本取られてしまいましたね。
もっとも、その後も、我が家ではやけどすると、
「あの特効薬、どこ行った?」
結構効き目があった感じがするんだけどなあ。
by Hologon158 | 2008-11-18 17:55 | ホロゴン写真展 | Comments(0)