46.06ホロゴンドラマ1「2008年11月8日長崎初日」6 背表紙の超絶効果とは?
私が本の虫であることはすでに書きましたが、
「日本の本の虫」であったことに、私はいつも感謝しているのです。
なぜか?
背表紙、それが理由。
外国書店に入ったことがありますか?
ロンドンで随分本漁りをしたことがあります。
素敵な書店がいくつかあります。
何階も壁面全部びっしり本で埋まっています。
本の虫にとっては、夢の山!
ところが、ところがですよ、
一目見ても、それが何の本かぜんぜんわからない!
背表紙に、小さな文字がちょろちょろと並んでいるだけ。
目を近づけて読んでみないことには、
本の中身がわからない!
さて、日本に戻って、書店に入って見ましょう。
なんと色とりどりの背表紙!
一目見て、誰の何という本か、一瞬に分かります。
それどころか、たいていの場合、背表紙を見ただけで、
これは良い本だあ!
分かってしまうのです。
おっと、すぐ大げさになってしまいますね。
言いかえましょう。
よい背表紙でも駄目な本はあります。
私もどっさり失敗しました。
でも、よい本はほとんど例外なく背表紙もよい!
我が家に戻ります。
私の書斎、北側窓をほとんど全部ふさいで、
先日お話しした巨大ビューローがどっしり聳えています。
その両側、つまり東西の壁に天井まで本棚を作ってもらいました。
ビューローの反対側壁面は、私の私設ギャラリー。
その下に揚琴があります。
私は回転椅子で、くるりと北に向いて、ブログを作り、
くるりと南に向いて、揚琴をたたいているのです。
(演奏するなんておこがましくて、とても言えない)
さて、本棚にはびっしりと本が並んでいます。
その背表紙を見ただけで、その本を読んだ幸せなときを思い出し、
その内容をほんの少し思い出すことができます。
(私には致命的な欠陥があります、読んだ内容を全部忘れる!
ちなみに、妻は忘れません。
それどころか、私が行った愚行、失言も全部覚えています。
しかも、それがただならぬ量!
おそろし! )
本棚が足りないからと言って、表裏2段重ねは致命的ですね。
背表紙が隠れた本は、脳裏からどんどんと遠ざかってしまうからです。
どうやら、日本人の場合、背表紙を見るたびに、
神経インパルスが脳裏を飛びかって、本の記憶を新たにしている、
私はそう信じています。
こんな芸当ができるのは、日本人と、
次第に日本的な背表紙を採用しつつある中国人、韓国人だけでは?
装幀芸術家のみなさん、
ありがとう!
[撮影メモ]
たいていの場合、ヒットエンドランで撮ります。
鮮度が違う、そう信じているからです。
でも、ときおり、しつこく撮ります。
1回で立ち去るのがあまりにも惜しいとき。
すだれごしの美少女、いいですね!
上村松園にすだれごしの美人画がいくつもあります。
見るたびに、すだれごし画像の見事な描写に圧倒されるのですが、
あんな風に透けて見える光線状態ってあるのでしょうかねえ?
(それから誤解のないようにつけ加えますが、
本文だけ読むと、私が邸宅に住んでいるように見えてしまいますが、
私は清廉をもって鳴る仕事をしてきた人間(と、胸を張る。でも、表現が古いね )。
自慢じゃないが、書物とカメラ以外に財産はありません。
中古の建て売りボロ家を購入するとき、
北側に書斎を作り足してもらったのです。
構造の関係で狭くて、天井がとても低くて、ちっちゃなお城。
ま、それでも贅沢と言えば、贅沢ですね)
by Hologon158
| 2009-01-05 11:08
| ホロゴンドラマ
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