わが友ホロゴン・わが夢タンバール

49.12 ホロゴンデイ20「2008年10月5日羅漢さん」12 冬枯れの古道を孤影騒然!


冬枯れの葛城古道、歩いてきました。
すこしゆっくり目に出て、御所の駅近くで昼食。
午後1時から午後5時半まで、歩きに歩いてきました。
地元の人に数人出会っただけで、行く人、来る人、まったく影形もなし!
なんだか古道の上に棲息しているのは私1人ではないかと思えるほど。
昨日までとは打って変わって、寒かった、ひたすら寒かった!
木枯らしのような風、
時折、雨が混じります。
古道上の空気は冷えに冷え、
私の身体は冷えに冷えました。
でも、手と心だけは暖かい!
なぜか?
ホロゴンとタンバール、この2人と一緒なのですから!
友人と一緒のときは、撮影しながら、盛んにおしゃべりを楽しみます。
独りのときは、自分とおしゃべりを楽しみます。
だから、どんなときでも、どこにいても、退屈しない。
たいへんに便利な性格です。
でも、この古道、よほど人気がないと見えて、喫茶店など皆無。
1店できたことがあったようですが、たちまちつぶれました。
当たり前、四季を問わず、来る人などいない!
私は運動神経ゼロなのですが、歩くのだけは得意。
それに、ロボーグラフィの宝庫なのですから、どんどん歩きたくなる。
道理で、人が来るはずない、などと言いっこなしにしましょうね。
でも、おかげで、座るところがないので、歩きづめというのも身体にこたえます。
1か所だけ四阿があり、そこで腰を下ろしました、ただし30秒だけ。
弾みがついてしまった心と身体が休むことを認めないのです。
本日は、ホロゴン用400、タンバール用100のフィルム各8本を用意しました。
ホロゴン用フィルムが2時間半で完了。
当然です。
ホロゴンの場合、路傍になにかを見つけたら、チャッ!
あっという間に撮影完了。
目がホロゴン用に成りきっているので、どんどん撮りたいものが見つかります。
撮っていて、気がつきました。
ぼくって、路傍のものをそのままリアルに撮りたいとはちっとも思っていない。
どんなやつでも、まわりのものの中から、光り輝いて立ち上がって欲しいのです。
野郎ども、ここじゃ、おれがヒーローだあ!
そんな心意気で、眼でもいい、乱杭歯でもいい、どこかがきらりと光って欲しいのです。
ホロゴンは、リアリティではなく、超リアリティの記録装置なのですね。
言ってみれば、はみ出し野郎たちのガイガーカウンター。
ところが、どうやらタンバールはそうじゃないみたいなのです。
じゃあ、タンバールって、どんな性格のレンズなのか?
そう正面切って問いかけられますと、
正直、まだまったく見当がつかないと申し上げるほかはありません。
あれこれと撮ってみたのですが、
どんな風に撮れているか、予測できないのです。
その点だけは、ホロゴンに似ています
でも、ホロゴンの場合は、ホロゴン流のメタモルフォーゼがどう働くかが、予測不能。
ところが、タンバールの場合は、もっとプリミティブというか、初歩的。
はたして撮れたかどうか、これがまず分からない。
今日みたいに、まったく色のない冬枯れの世界では、形だけが勝負のような感じがしますが、
なにしろフィルターを付けて、絞りは開放です。
これじゃ、ピントさえ覚束ないのですから、もうお手上げ。
そうこうするうちに、どこをどう間違ったか、路を間違え、
近鉄御所駅をはるかに通り越して北上していることに気づきました。
しかたなく今来た道を戻り、15分後には正道に立ち戻ったのですが、
すっかり暮れてしまった道はどこまでもどこまでも続きます。
沿道、人っ子一人出会わない、淋しいですね、これは。
でも、私の場合、そんなことではめげない。
暗くても、歩きながらでも、まだタンバールで撮り続けている。
ようやく駅についてみると、出発のベルが鳴っています。
電車に飛び込んだ途端、ドアがバタンと締まりました。
カメラも電車もタイムラグなしが最高!

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[撮影メモ]
この羅漢さんが一番気に入りました。
名付けて「反省羅漢」
「反省!」と、しおらしくうなだれているところが、可愛い!
なんだか身につまされます。
なぜって、本気で反省してないみたい。
なぜ、分かるか?
私がだいたいにおいてそうなので、同類はピンとくる。
というわけで、この羅漢さんだけは、同じ角度で3枚。
by Hologon158 | 2009-01-31 21:27 | ホロゴンデイ | Comments(2)
Commented by andoodesign at 2009-01-31 23:29
この羅漢さん、光のせいか今まで登場した羅漢さんに比べて立体的に見えますね。
本当にうなだれている表情が可愛いです!

今日は葛城古道の撮影ですね。
毎度Hologon158さんのバイタリティには関心させられます。
文面から、ホロゴンは元よりタンバールへの思い入れも強く感じられ、次の現像は楽しみが倍増しましたね。
こうやってHologon158さんの新たなレンズへの挑戦を拝見していると、初々しくて親近感を感じます。
同じく僕も「はたして撮れてるかどうか...」が現像段階のドキドキですから。
あ、同じじゃないですね...、やっぱり。
Commented by Hologon158 at 2009-02-01 00:36
re)andoodesignさん
もちろん一緒です。
私なんか、もっと凄いですよ。
全フィルム、なにが写っているか、ぜんぜん分かっていないのですから。
ネガフィルムなので、ネガを見ても分からない。
スキャンして、画面に画像が出てはじめて、「万歳!」「ガクッ」「バカ!」
撮影もフィルムスキャンもすべてが冒険、冒険、また冒険!
だから、疲れないし、飽きません。
この羅漢さん、他の羅漢さんよりも近くに居たのです。
それだけ親近感が深まったということでしょうか?
というより、他人を見ているとは思えない!
私など、人生、反省の連続、でも懲りないので、またやっちゃう、そして、また反省。