わが友ホロゴン・わが夢タンバール

51.02 ホロゴンドラマ3「2008年11月10日長崎三日目」2 私は、私自身でありたいのです


今、帰りました。
今日も、素敵な人物を知ることができました。
友人のRAさんにお誘いを受けたのです、
「素晴らしい青年を紹介したいので、ぜひ来てください」
大阪の千里ヤマハホールで開催されたコンサート、
中国人ピアニスト、陳政宇Chen Xheng Yuチェン・ツェンユーさんのリサイタルです。
200人程度の小ホール、そのグランドピアノの真ん前に席を頂きました。
1984年生まれ、24歳の青年です。
2001年、まだ17歳で中国国際ピアノコンクール3位を獲得し、
2002年には、カナダ、モントリオール大学に留学して、
大ピアニストダン・タイ・ソンに師事。
2008年、スペインのヴァレンシア国際ピアノコンクールに優勝。
そのコンテスト曲がプログラムになっています。
チャイコフスキーの「ロマンス作品5」、
プロコフィエフの「ピアノソナタ第七番」
ショパンの「ノクターン第4番」
ドビュッシー「喜びの島」
リスト「スペイン狂詩曲」
アンコールに、スカルラッティ「ピアノソナタK1」
そして、ショパンの「ワルツ」(名前は聞き落としました)
はじめはちょっと生硬でしたが、次第に心と指がほぐれたのでしょう、
最後の3曲は堂々たる巨匠のピースでした。
プロコフィエフとリスト、私には無縁の作曲家でしたが、
その音楽が次第に高揚し、宇宙のように壮大に飛翔して、
私の心を大きな喜びで満たしてくれました。
美しい音が私のまわり一杯にキラキラと飛び交うようでした。
恍惚となれる、そんな体験をこの若いピアニストから与えてもらえるとは、
まった予測もしなかっただけに、心が激しく揺さぶられた感じがします。
まだ24歳、これから大ピアニストになると確信できました。
その理由は、演奏会が終わった後の彼のインタビューにありました。
実に真摯で、あたたかい人物なのです。
どんなピアニストになりたいですか、との質問に、
「沢山の優れたピアニストを知っています、
彼らから沢山のものを学んでいますが、その誰かのようになりたいとは思いません。
私は、私自身でありたいのです」
「私がコンクールで優勝できたのは、ライバルに勝とうと考えず、
あなた、私の音楽を聴いてくれているあなたに聴いてもらうつもりで弾いたからです」
目と心がとても澄んでいて、
春風がさわやかに私のほおを撫でてくれる、
そんな気持ちにさせてくれる青年でした。
こんな青年が居るということ、そのことだけでも、
この出口なき暗い混沌の時代に一縷の希望を与えてくれるようで、
帰宅してもなお、興奮が冷めやらぬ気持ちなのです。
ありがとう、チェン君!

51.02 ホロゴンドラマ3「2008年11月10日長崎三日目」2 私は、私自身でありたいのです_c0168172_2265378.jpg
51.02 ホロゴンドラマ3「2008年11月10日長崎三日目」2 私は、私自身でありたいのです_c0168172_2271070.jpg
51.02 ホロゴンドラマ3「2008年11月10日長崎三日目」2 私は、私自身でありたいのです_c0168172_2282058.jpg
51.02 ホロゴンドラマ3「2008年11月10日長崎三日目」2 私は、私自身でありたいのです_c0168172_2285814.jpg

by Hologon158 | 2009-02-11 22:10 | タンバールアワー | Comments(0)