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52.44ホロゴン外傳7「1989年8月パキスタン」44 人間、ほんとは時計いらずなのだ

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面白いニュースを読みました。
「スピーチに挟む効果的な「間」やスポーツでの間合いなど、日常生活で無意識に適切な間を取ることができるのは、脳の神経細胞が砂時計のように時を刻んでいるおかげ。こんな脳の働きを丹治順・玉川大教授(脳生理学)と東北大のチームが見つけ、1日付の米科学誌電子版に発表した。脳が秒単位の時間をつくる仕組みを解明した初の成果で、時間認知に障害が出るパーキンソン病などの治療に役立つ可能性があるという。」
この世には、とんでもなく正確に時間を刻める人がいます。
たとえば、打楽器奏者。
私の友人がテレビで観たそうです、
4人のドラム奏者が猛スピードで複雑なリズムを刻む、華麗なる競演。
ところが、ただ1人の演奏としか聞こえなかったそうです。
そして、指揮者。
優れた指揮者が棒を振りますと、
オーケストラはまるで軌道を走るかのように一糸乱れぬリズムで演奏します。
蓑助のような文楽人形遣いの人形の動きと停止の間合い、
落語家が、熊さんのセリフを語った後、一呼吸置いて、大家さんのセリフを語るその間合い、
みんな超微細な時間がポイント。
それよりも長くても、短くても、ずれてしまう。
ピタリと決まるから、「よっ、名人!」ということになります。
カルティエ=ブレッソンや木村伊兵衛の写真も同様の印象を受けます。
ただし、木村伊兵衛の場合は、ほんの一呼吸ずらして。
正確に時を刻めるから、適確にずらすことができたのでしょうね。
時間の正確な人間を評して、ときに「身体の中に時計があるような」とたとえますが、
ほんとに時計があったのですから、恐れ入ります。

今回の写真は、そんな時計的感覚は不要。
朝まだき、ようやく人が少しずつ起き出そうという時間です。
村には平穏が満ち満ちています。
なんだか桃源郷ってこんな処だったのではと思わせる光景。
by Hologon158 | 2009-03-02 15:08 | ホロゴン外傳 | Comments(0)