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59.23 ホロゴンドラマ5「和歌山の旅① 新宮」23 縁側を低く構えたカメラが

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私は、奈良県の小さな町大和高田で育ちました。
この写真とそっくりの家でした。
広い縁側があり、大きな石が置かれていました。
友達が来ると、こんな風に靴を脱いで、部屋に上がったものでした。
「スイカを食べよう」
父がそう言うと、母が井戸で冷やしたスイカを持ってきて、
ざくざくと切り割りしますと、家族も客もみんな手にとって、
種を縁側から庭に吹き飛ばしながら、かぶりついたものでした。
「キャンディ買ってきなさい」
そう言われると、近くの米屋に走り、夏期限定発売のキャンディ、
紙にくるんでもらって、飛ぶように走り帰りました。
そして、みんなでてんでに縁側にこしかけて、
しずくを庭にボタボタこぼしながら頂きました。
どちらも美味しかったこと!
後年、生まれて初めて小津安二郎の「東京物語」を観ました。
冒頭のシーン、縁側を低く構えたカメラが移動してゆきます。
そのシーンを観ただけで、ジーンとこみ上げるものがあり、
涙が眼からこぼれました。
南紀ではそんなシーンが今でも生きている!
by Hologon158 | 2009-04-02 14:52 | ホロゴンドラマ | Comments(0)