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65.38 ホロゴンドラマ8「和歌山の旅④ 太地町は今日も晴れ」38 日本に民主主義はあるか?

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先日来、ヘロドトスの「歴史」(松平千秋訳、岩波文庫)を読んでいます。
もう5度目くらいでしょうか?
ペルシャ帝国による2度にわたるギリシア侵入の一部始終を記録しています。
松平千秋さんの名訳も手伝って、
歴史の父と呼ばれる偉大な歴史家は、眼前に目撃するかのような迫真の描写をしてくれます。
言葉、ロゴス、論理、理性を重んじたギリシア人が、ギリシア人の事跡を記述するのです。
行動も言葉も明快そのもの。
イーリアスの時代から、ギリシア人はこうでした。
なにをするにしても、みんなで集まって議論するのです。
どうやら、古代ケルト人、ゲルマン人もそうだったようです。
ギリシアをはじめとするヨーロッパ諸民族が民主主義を生み出したのも当然です。
彼らは、みんな、同一の土俵でことを論ずるだけの言語と論理を持っていたのです。
日本にいまだに民主主義が根付かないのは当然です。
このことは、ご自分の職場で会議をした経験をお持ちの方なら十分納得していただけるはず。
日本の会議はほとんどシャンシャンで始まりシャンシャンで終わる、単なる儀式。
根回しですべてが決まっているか、
それとも権力者が主導し、それを満場一致で支持するだけ。
たまに議論をしますと、ほとんど常に、かみ合わない。
正しい思考ではなく、ねばり強い主張を貫徹した方が勝ち。
日本の選挙もムード、潮流を盛り上げた方が勝ち。
結局、日本人は腹で考える習慣にどっぷりとつかり、
言葉をただしく使えない、使いたくない民族のようです。
正しい論理は日本人を納得させないのです。
私は、言葉と論理の是非と正義の有無を真正面から問う仕事を一生してきました。
そんな人間にとって、ギリシア史を読むことは、
夢であり、カタルシスであり、反面では羨望なのです。
by Hologon158 | 2009-04-24 19:42 | ホロゴンドラマ | Comments(0)