わが友ホロゴン・わが夢タンバール

72.07 ホロゴンデイ21「2007年1月27日大正区ニューカレイドスコープ」7 これじゃ、まるでリンチ

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福岡高裁は、アルコール運転で3児を死亡させた事件について、
危険運転致死傷罪を適用して、最高刑の懲役20年を言い渡したと読みました。
でも、ちょっと常識で考えれば分かることですが、
この判決、非常におかしい。
理由その1。
被告人がぶつかった車に1人しか乗っていなくて、死ななかったら、
どんな判決になるでしょうか?
仮に危険運転致死傷罪だと認められても、こんな最高刑になることはありえない。
つまり、この判決、結果がすべてなのです。
やった行為は一緒で、運悪く家族車にぶつかったばかりに、
刑罰が十数年はねあがある、こんなことが刑事裁判なのでしょうか?
これじゃまるで、むかしの「目には目を歯には歯を」の時代のお裁き。
理由その2。
仮に、ぶつかった車がガソリンタンカーで、その車が幼稚園送迎バスにぶつかって、
沢山の死者が出たりしたら、どうでしょう?
そのときも、最高刑の20年になりそうですね。
とすると、最高刑もなにもあったものじゃなくなります。
どいつもこいつも、みんな20年だあ!
こんなのを裁判というのですか?
あなただって、下手をすると20年になりかねないのですよ。
時代の趨勢が、マスコミのあおりを受けて、被害感情一辺倒に流されています。
この判決の量刑理由も、
「被害者の極めて厳しい処罰感情ももっともだ」、
「飲酒運転などによる危険な自動車運転が後を絶たないことが社会問題となっており、厳しい非難を免れない」
だから、お前をみせしめとして厳罰に処するぞ、そう言わんばかり。
でも、これは国家の刑事裁判のあり方に照らして、かなり危険です。
これじゃ、まるでリンチ。
刑事裁判は、一罰百戒主義ではありません。
罪を憎んで人を憎まず、
すべての犯罪の軽重に相応な裁判を全国で重ねることによって、
国民に不当な刑罰を科されることのないように機能すべきなのです。
それが、裁判制度の安定と信頼につながり、ひいては国家を安定させるのです。
裁判員制度が実施されると、国家が行うべき刑事裁判のあり方が、
被害感情一辺倒に一気に傾斜する危険があることはすでに指摘されてきたことですが、
すでに裁判官まで厳罰主義に傾斜しつつあるようです。
明治24年、大津事件というのがありました。
ロシア皇太子を警備の警官が負傷させた事件。
政府は、外向的配慮もあり、世論に乗って、
裁判所に対して、犯人を死刑の厳罰に処するように内々指示したのです。
でも、裁判所は、その指示を不当な介入であり、「裁判の独立」を害するものとしてはねつけ、
裁判官は、通常の傷害事件として平静に処理したのです。
政治が司法の上に立っていた明治時代でさえ、裁判は厳格冷静に行われていたのです。
今度の判決を見ていますと、なんだか江戸以前のお裁きの時代に戻っていきそうです。
以上、素人でも分かるようなことを、裁判官が分かっていない、そんな感じがします。
民主党の新党首は、選出されたとたんに、前党首の支配体制を続けると言わんばかり。
自分が傀儡であると、国民が気づかないと思っているとすれば、バカですね。
政治家がバカになり、さらに裁判官もバカになる。
これじゃ、日本はどこに行くのでしょうか?
ちょっと心配になってきました。
by Hologon158 | 2009-05-17 11:31 | ホロゴンデイ | Comments(2)
Commented by GG-1 at 2009-05-17 12:33
司法関係者に限らず
人間性を鑑みるに
明治の頃の方が人として恥ずかしくない人間が多かった気がします

勿論
自分の事は棚に上げておりまする
Commented by Hologon158 at 2009-05-17 22:09
re)GG-1さん
もちろん、私も自分のことは棚上げ。
近頃暴露されてくる政治家、官僚たちの不始末を考えますと、
日本はかなり前から自己崩壊の過程をたどっていたようですね。