わが友ホロゴン・わが夢タンバール

75.18 ホロゴンデイ22「09年2月21日弘法市から北大路まで」18 文体を見れば、人が分かる?

「いつもは威勢よき黒ぬり車の、
それ門カドに音が止まった娘ではないかと両親フタオヤに出迎はれつる物を、
今宵は辻より飛びのりの車さへ帰してしょんぼりと格子戸の外に立てば、
うちには父親が相変わらずの高声...」

どうですか? この歯切れの良さ!
字面だけ見ると、だらだらと書き連ねているように見えて、
声に出して読んでみると、きちんと文節があることが自然に分かる。
そして、情景がごく自然に読者の心に浮かんできます。
ご存知、樋口一葉の「十三夜」の書き出しです。
文体はその人の衣装のようなものです。
文体を見れば、人が分かる。
樋口一葉がどんなにきびきびと溌溂な心の持ち主であったかが分かります。
じゃあ、わざときびきびとした文体で書けばいいじゃないか?
そうおっしゃる方が居られることでしょう。
いいですね、やってみてください。
文体は人の衣装なのですが、衣装の生地は心で決まる。
文体を変えようと思っても、心が変わらない限り、簡単に変わるものじゃありません。
では、心はどうやって変えるか?
これも、今日決心して、明日変わるなんてことは無理。
心を変えようと思ったら、人生を、生き方を変えないといけない。
それも、長い時間をかけて、じっくりと変えないと、変わらない。
ようするに、文体を変えるということは、人生を変えることなんでしょうね。
こりゃ、大変だ、
今の文体(というより、文体の欠如)で我慢しておくことにいたしましょう。


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by Hologon158 | 2009-05-25 22:54 | ホロゴンデイ | Comments(0)