わが友ホロゴン・わが夢タンバール

88.38 ホロゴンデイ25「2006年2月25日奈良東畑で辿るは過疎の道」38 天王寺駅裏の路傍で

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さきほど帰宅しました。
天王寺駅の近くをぐるりと一巡してきました。
実は、初対面の方(大先輩ですが)とご一緒したのです。
とても素晴らしい方で、不思議な方。
写真観、人生観、社会観、そのすべてにわたり、なぜかとても共感できるのですから。
いつか許しを得て、その方のことをもっと紹介させていただきたいものですが、
本日は、その方のお薦めの路傍を案内していただいたのです。
私も大阪が大好きでよく回るのですが、実は、私の回る路地裏は限られています。
何度も何度も行き慣れた場所を歩いているのです。
それで十分。
いつも書くとおり、路傍は生きていて、どんどん変化しているのですから。
でも、いつも同じ路地裏だと、結局、どこか世界はだんだん狭くなるのかも知れません。
今日は、私がいつも回る路地裏からほんの数分、方角が逆なだけという近場。
それなのに、もうフェスティバル!
大好きな被写体たちが新しい顔で、沿道にびっしりと並んで、旗を振って迎えてくれました。
コンクリート擁壁の曜変、
トタン壁の腐蝕の歴史、
バイク、
コーン、
古い市場の水たまり、
古色蒼然たるアーケード、
戦前風のお店のデコレーション(私は戦後派なので、単なる想像)...
ほぼ1時間半の撮影に、収穫はきっかり6本。
私がどんなに燃えたか、お分かり頂けることと思います。
ディジタルならすぐに掲載できるのですが、
私のタイムテーブルは牛車の時代のまま、
再来週に現像依頼、その2週間後に受け取り、
その2,3か月後にちんたらちんたらとスキャン。
奈良の片田舎の住民としては、これ以上のスピードは無理。
私はこれを、ホロゴン熟成の時間と考えたいのです。
どこに行っても、こと撮影に関しては、ちゃんと記憶しているものです。
スキャンすると、その瞬間の気持ち、情景が、
3か月の時を隔てて、忘却の丘の向こうから、リアルに浮かび上がってきます。
そのときです、
写真が私の心の殿堂に収まれるだけのものかどうか、一目で決まるのです。
ディジタルカメラのように、撮影時、帰宅時、ただちに映像を確認できないことは、
私にとっては、銀塩カメラのデメリットではないのです。
むしろ決定的なメリット!
水泳を冬覚え、スキーを夏覚えるとよく言いますが、
私は、撮影からスキャンまでの時の約3か月間が、
私の撮った写真が、私の心にしっかりと根づくための熟成期間なのです。
というわけで、今回も2008年の東畑の写真。
熟成期間をとっくに過ぎて、黴びつつあるのかも知れませんが...
by Hologon158 | 2009-07-11 18:15 | ホロゴンデイ | Comments(0)