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96.18 ホロゴンデイ28「2008年5月17日奈良町、奈良公園は春爛漫」18 エゴン・シーレの光

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エゴン・シーレは、3日前亡くなった妻の後を追うようにして、死にました。
1918年、28歳、死因はスペイン風邪だったのです。
ここでも、自然は天才を一人奪っていったのです。
彼はこう書いています、
「絵というものは、自ら光を発しなければならない。
肉体は独自の光をもっていて、生きている間にこれを消費する。
やがてこの光は燃え尽き、消滅してしまう」
「私は、身体全体から発散される光を描く」
彼の絵は、そんな彼の言葉を実証するかのように輝いています。
彼の絵を一言で言えば、「エキセントリック」なのでしょう。
彼は、自分が長くは生きないことを予感していたのかもしれません。
でも、彼の絵から、人間の温かさ、愛に対するたぎり立つような渇望、
でも、あと一歩のところで、手がとどかない、そんな思いがいつも浮かんできます。
だから、彼の絵は、「焦燥」なのかも知れません。
しかし、彼の絵を通覧すれば、一目瞭然なのですが、
彼の絵は、「確信」に満ちています。
自分の絵に疑いをもってはいなかった。
彼の絵は、歳をとるにつれて、次第に重厚さを増していったようです。
光がだんだんと膨らんでいった、そんな感じです。
彼が40、50、60、70、80歳になったとき、どんな様相を呈したか?
失われた可能性ですが、知りたかった!

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by Hologon158 | 2009-08-01 10:23 | ホロゴンデイ | Comments(0)