わが友ホロゴン・わが夢タンバール

98.35 ホロゴンデイ29「2006年6月24日大阪今里にはほんとの路地裏が残っていた」35 「心の旅路」余談

今朝、ジェイムズ・ヒルトンの「心の旅路」(角川文庫)を読み終わりました。
マービン・ルロイ監督の懐かしの名画「心の旅路」の原作です。
翻訳の方は、遙か昔に絶版ですが、「日本の古本屋」で探せば見つかります。
475頁もある長大な本ですが、最後の一行を読めば、確信されるでしょう。
ヒルトンは、この一行をダンと爆発させたいがために、これだけの長さを費やした!     
この長さがあるからこそ、最後の女性主人公の言葉が生きるのです。
内容は書きません。
記憶喪失を扱って、一世を風靡した小説。
もう10回近く読みました。
なんだ、あんた、新しい本読まないの?
そうお尋ねの方もおられることでしょうね。
お答えします。
もちろん読みます、でも、読むに値する本があまりにも少ない。
私のブログ、「一万年の旅」と一緒で、言葉のインフレーション。
私は、もっと石に彫り込むような、真実の言葉が読みたい。
ヒルトンは、彼の他の傑作、たとえば「チップス先生さようなら」などでは、
まるで金を惜しむように、言葉を節約して、余韻に富んだ小説世界を作り上げています。
では、なぜそんなヒルトンが、ここでは一変、長大な小説を書いたか?
「心の旅路」は、記憶を失った男性主人公が自分の失われた記憶を取り戻す、
その苦しい作業を描いた小説なのです。
主人公は、大変に聞き上手の青年を得て、自分の過去を語りに語ります。
その饒舌そのものの記憶の再現作業の果てに、自分を取り戻すお話しなのです。
ヒルトンの最大の狙いは、この主人公を助け、愛した女性が誰だったのか?
メロドラマ小説ですが、実は、その裏にミステリーが隠されているのです。
原作はとっくの昔に絶版。
イギリス人ですが、アメリカに渡ってハリウッドの脚本家として活躍したためでしょうか、
小説家としての名声は低く、作品はたいてい絶版になってしまいました。
イギリスよりは日本でよく知られている作家なのです。
本が見つからなければ、映画をご覧下さい。
女性主人公のポーラを演じた、グリア・ガースンは理想の女性、理想の女優の一人です。
優雅で理知的で、しかもこの上もなくやさしい女性を演じたら、この人を超える人はいないのでは?
グレタ・ガルボ、デボラ・カー、ルート・ロイベリック、イングリット・バーグマンと彼女、
この5人はそんな古き良き時代の名画に咲いた、真の意味での大スターたちでした。
もっともこの5人がどんなによくても、私はチェ・ジウの方を高く評価するのですが、
どなたも、チェ・ジウをまともに見ていないので、納得していただけないのが悲しいですね。
でも、それは余談。
余談ついでに、もう一つ紹介。
「心の旅路」はその後ハリウッドでリメイクされていますが、換骨奪胎のリメイク版としては、
韓流ドラマの「ラストダンスは私と一緒に」が絶品!
原作は男性主人公側から描かれているのに対して、「ラストダンス」は女性主人公の視点。
このヒロインを演じるユジンは、貴婦人のようなグリア・ガースンとは似ても似つかぬ、
どちらかと言うと、平凡なイモ姉ちゃん、だけど、とにかく可愛い、いじらしい!
ふっくらさんで、ちょっと我が家の末娘静に雰囲気が似ています。
静も抱っこすると、ふくふくとして、たとえようもなくやさしい触感なのですが、
その下にぷりぷりとした筋肉が隠されていて、大変な運動家。
ユジンも、水泳、スケート、なんでもできるようで、まるでボールのように弾んでいます。
一見の価値のあるドラマです(ただし、私は5回は観ました、十見の価値ありと思ってる)。
話は逸れましたが、私の書きたかったことは、記憶を失うということだったのです。
次回に書きましょう、今回はただのおしゃべりでした。
c0168172_10374346.jpg
c0168172_1037525.jpg
c0168172_1038166.jpg

by Hologon158 | 2009-08-10 10:41 | ホロゴンデイ | Comments(0)