わが友ホロゴン・わが夢タンバール

100.32ホロゴンデイ30「2009年5月30日毘沙門天のお膝元信貴山に遊び」32 写真信じちゃ駄目だよ

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多くの人が指摘していることですが、
写真の機能は大いに誤解されています。
ありのままを写すカメラなんて、存在しない。
記録すると言いますが、ある瞬間、ある方向から、ある部分を切り取る、
もうそれだけで、撮影者の主観が歪めてしまっています。
そのうえ、カメラ、レンズの特性がデフォルメを加えます。
そして、なによりも映像化されたものは常にその構図によって、
世界のなかのある特定のものだけを主題化して、強調します。
現実世界を記録すると言いながら、
その特定のものだけが大切なんだよ、そう暗黙に主張するのです。
昨日、中国の美人映画スター二人が催し物に登場するシーンの写真を見ました。
とても仲むつまじそうに手をつないでいました。
ところが、実は犬猿の仲なのだそうです。
ファンの前を取り繕う動作のシーンを撮って、報道することで、
写真だけを見た人間に誤解、誤認を与える効果を発揮するのです。
今回の蔵の一枚目の写真をご覧下さい。
私ははっきりと覚えていますが、誰も気に止めないようなこすれ痕でした。
誰もが無視する程度の痕跡。
でも、私は、いわば歴史の傷跡として、時間化されたものを撮るのが大好き。
だから、気づきます。
そして、写真にして、見る人に気づいてもらいます。
白隠禅師というえらい坊さんがいました。
この人は、「○」を墨書して、美術史に名を残した人ですが、
その○の字と、このこすれ痕、とてもよく似ているのです。
時計回りに、しゅっと一振り!
どちらも描いた腕がしっかり決まっている。
蔵の○字は、何千回、同じ方向に回転させることで、いつしかできあがり、
これからもさらに豊かに重ね字をされてゆくという、実に優れもの!
他の二枚も同様の効果を発揮します。
現場は、誰も気に止めない、ただの古ぼけた寺院の一角。
こうして写真に撮ることで、刻まれた時の年輪が浮かび上がります。
撮影者の主観、選択が写真にしっかりと刻み込まれて、
この主観、選択の枠内でものを見せる、それが写真です。
真実を写すというよりも、
写して化けさせ、人を化かす。
「写化」する、それが真相なのではないでしょうか?
by Hologon158 | 2009-08-17 11:56 | ホロゴンデイ | Comments(0)