わが友ホロゴン・わが夢タンバール

112.06 ホロゴンデイ34「2006年12月5日も、奈良でホロゴンだけで撮っていた」6 バベットの言葉

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アイザック・ディネーセンに「バベットの晩餐会」という傑作があります。
岸田今日子さんが美しい翻訳を出しています(シネセゾン)。
映画化されました。
これは素晴らしい映画でした。
でも、原作は、それに輪を掛けて素晴らしい。
パリ・コミューンの内乱で、パリから遠くデンマークの片田舎に落ち延びて召使いとなった、
天才女性シェフ、バベットは、女主人二人のために晩餐会を企画して、
天才のすべてを尽くし、最高の晩餐を創造するというお話。
そのために、宝くじであてた大金を使い果たしたと知った女主人は言います、
「それじゃあ、これからずっとあなたは貧乏なのね」
すると、バベットはこう然と答えるのです、
「いいえ、わたくしは決して貧しくなどありません。
私は偉大な芸術家なのです。
偉大な芸術家は、貧しいということは決してないのです。
わたくしたちは何かを持っています、
他の人々にはまったくはかり知ることのできない何かを」
崇高な言葉ですね。
この言葉を吐けるのは、正真正銘の芸術家だけなのでしょう。
私には、この「何か」がなになのか、分かりません。
バベットは、自分の芸術を理解してくれる人がいない限り、
自分の芸術を披露することは無駄だと考えています。
ですから、こう言うのです、
「わたくしは、彼らを幸福にすることができたのです。
わたくしが最善を尽くせば、
あの人たちを、この上もなく幸福にしてやることができましたわ」
最善を尽くすことができる、このことが芸術家の才能の一つである、
そう言わんばかりの言葉。
そんな最善を尽くした芸術を、ちゃんと間違いなく理解し、
心から感動できる、そんな人間になりたいものです。
by Hologon158 | 2009-10-12 00:13 | ホロゴンデイ | Comments(4)
Commented by a1photo at 2009-10-12 07:39
ナイスキャッチですね。
下の写真は秋、その下はホロゴンさんならではのロボグラフィー。
増々血気盛んってな感じ。
お見事です。
Commented by mallard3 at 2009-10-12 08:05
下のピンク画帳について意義あり。
申し訳ないが、私には、ただの羅列には見えないんですよ。
仮に、ですよ、ホロゴンさんが紙焼きの展示をしたら、ですよ、借金してでも見に行きますよ。
じゃタイトルはと聞かれたら、写真2でも3でも4でもAでもBでもCでも。
「写真」はまずいです。彼方に居られる信さんが風邪をひく。
(オベンチャラは嫌いです。が、そう思うのだから仕方がない)。
Commented by Hologon158 at 2009-10-12 23:17
a1 Photoさん
ちょっと異議あり!
「増々血気盛ん」の前には普通「老いて」が来るんじゃありませんか?
私は、老いてはいませんぞ!
でも、コメントありがとうございます。
これらの写真を見ていると、気持ちは一つ、
やっぱりホロゴンがいいな!
Commented by Hologon158 at 2009-10-12 23:23
マラードさん
そんな風に言っていただくと、自分じゃ、そうじゃないんだけどと思いつつ、
マラードさんはああ言うけど、やっぱりオベンチャラじゃないかしらと思いつつ、
やっぱり心の底から、嬉しくなってきます。
マラードさんのようなコメントをしていただくと、
素人に徹するぞと固く決意したはずの私なのに、
そうか、じゃ個展しちゃおうか? なんて、
ついフラフラしてしまいそうです。