わが友ホロゴン・わが夢タンバール

112.09 ホロゴンデイ34「2006年12月5日も、奈良でホロゴンだけで撮っていた」9 得難い長所

№6と7とで考えた問題を、さらによく考えてみますと、
すべての芸術、非芸術の写真も含めて、見る人、聴く人がいないと始まらない。
私のような素人写真でも、
私という人間がこれを見ることを前提としているからこそ、撮影します。
たとえば、ある芸術家が自分の作品を創造した直後に、誰にも見せずに、
大地に埋め、あるいは無人宇宙船に乗せて宇宙に打ち上げたとしても、
それは、いつか誰かがそれを発見することを期待してのことです。
作るなり焼いてしまう、そんな芸術家が仮に居るとすれば、
それは、その行為そのものをアート化する意図でのことで、
実は、ちゃんと観衆、受け手を想定しています。
私など、芸術家じゃないので、たった一人の可能的観衆である自分自身を
熱烈強烈な受け手として、写真を撮っています。
これにはちょっと合理的な理由があります。
ホロゴン15mmF8がとくにそうなのですが、
自分で撮った写真がどんなものか、まったく予測不能なので、
スキャンしながら、もうわくわくドキドキの毎日なのです。
写真家となると、自分の意図、企画したとおりに写そうとするものです。
たまに、意図した以上の、想定外傑作ができると大喜びするとしても、
意図したイメージに仕上がらなかったときは、
たいていがっかりするものです。
私の場合は、まずもって意図することがない。
というか、意図できない。
実は、21、28、35mmで撮るときも同じなのです。
ノーファインダーだし、ファインダーをのぞいても、垂直チェックのためだけ。
ライカIfなら、ファインダーがないし、
ⅢfやM3は、超広角はファインダーにないので、外付けファインダー、
でも、これらでのぞいても、フードで大きく蹴られ、ボディ側は見えない。
しかも、近接ではパララックスがあって、片面がそうでなくても見えていないのですから、
四隅までチェックなんてできない。
というわけで、想定外写真ばかりのフィルムスキャン、実にスリリングなのです。
でも、芸術家たちと違うところがあります。
私は、フランシスコ・アライサをあきれさせた東京のオタクさんたちに似ています。
なにがなんでも、できたものは全部引き受け、全面的に賛美する心構えができている!
というわけで、もしあなたが、日々興奮の日を送りたければ、
銀塩フィルムと超広角のセットで写真をお撮りになることをお勧めします。
もっとも、私のこの度はずれた歓喜と、
数人の奇特かつ変わった例外をのぞくブログ読者からのほぼ完全な黙殺とのギャップには、
ときどき笑ってしまいます。
そこで、私は悟ることができるのです。
私が強烈なる自分かわいさ、えこひいきで、物事を見る人間であることを!
ブログは、こうして、深い自己認識を与えてくれるという点で、
とても得難い長所があるわけです。

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by Hologon158 | 2009-10-13 00:02 | ホロゴンデイ | Comments(4)
Commented by top-to-toe at 2009-10-13 07:54
ホロゴンさんおはよー。

早起きしたので今回も色々読ませてもらいました。
↓の3と5。興味深かったですね。レンズの事・ビデオの事。
ちょっと考えてしまいました。(多分今日出勤途中も考えると思う(笑))

a1photoさんばりに、ここ数日のホロゴンさんの写真は
妖しい色がばりばり出てて、私好みです。
おかげさまで元気が出ました。

今日もがんばりまーす。
Commented at 2009-10-13 09:36 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2009-10-13 22:44
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Hologon158 at 2009-10-13 22:47
saoriさん
ほんとうに元気一杯ですね。
羨ましいですよ。
私のホロゴンのこの色は、むしろ「黄昏色」
でも、この色が自分の色なのですから、
自分を偽らず、とことんまで楽しむことにします。
そんな気持ちになるのも、ホロゴンのおかげ。