わが友ホロゴン・わが夢タンバール

120.47 ホロゴン外ドラマ1「2009年11月北京の旅は酷寒から始まった」47 胡同ロボグラフィ

胡同のロボグラフィをあれこれごらんいただいています。
なんて汚いのだろう!
そうお感じになりますか?
そうであれば、とても残念ですね。
人生の一つの可能性をみすみす見逃しているんじゃありませんか?
胡同がどうしてこうなったか?
そのことを考えて欲しいのです。
現代人は、古くなると、即、廃棄処分に走ります。
「新品に替えよ、ルンルン...」というわけです。
現代の建築物はたいてい、耐久期限をあらかじめ限定し、永久保存など考えていません。
現代人は、保存ということをほとんど考えない文化を作ろうとしています。
人間だって、ただの代替可能な構成員、程度の存在に成りはてようとしています。
中国だって、例外ではありません。
表通りは、ばんばん作り替えられつつあります。
万里の長城を作った、いにしえの文化は、違います。
秦は、三千里の長城を新築したのではありません。
燕、趙、魏などの列強が北の騎馬民族を防ぐために作った長城を補修し、つなげたのです。
長城を作った精神は、胡同を保存してきた精神なのです。
かつては表文化だった、この古を大切にする文化は、
胡同をはじめとする路地裏の世界に隠退し、
古文化は、表世界の裏にひっそり咲く、下層の文化になってしまったのです。
その基本的精神は、あるものは、それが朽廃しない限り、大事に使い続ける。
胡同のロボグラフィをよくごらんいただきたいのです。
乱暴に扱ったから、汚泥、塵埃を整理しないで放置したから、こうなった、
そんなものが見つかりますか?
そんなものはありません。
(念のため。トイレだけは別です、あしからず)
ですから、生活感があります。
長年月を経て、素敵な古色がついています。
なにものも、しっとりと自然にかみあって共存しているのです。
こんな文化は、胡同に限りません。
世界中の路地裏という路地裏に脈々と息づいています。
ロボグラフィは、そうした古文化を担う人たちの心を写したい、
そんな写真なのです。
(と、大げさに書きましたが、ほんとは、汚いもの好きなだけかも?)

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by Hologon158 | 2009-11-17 17:38 | ホロゴン外ドラマ | Comments(0)