わが友ホロゴン・わが夢タンバール

119.07 ホロゴンデイ36「2009年10月10日浪華の人生は十三の下町で華開き」7 につこり笑ふ

写真家、吉田正さんの傑作写真集「imagination chuya」(CREO刊)、
もう絶版だそうです。
そんな馬鹿な!
中原中也の詩と、吉田正さんの切れ味のよいストリートフォトの、
絶妙のコラボレーション。
「日本の古本屋」などの中古書サイトで探してでも、絶対に手に入れるべき本。
ぼくは持っている、そんな優越感で、書棚から取り出して、開きました。
こんな詩を見つけました、

     かくて、人間、ひとりびとり、
      こころで感じて、顔見合わせれば
     につこり笑ふといふほどの
      ことして、一生、過ぎるんですねえ

思わず、ほんと、ほんと、とつぶやいてしまいました。
どうして、どうして、これだけで十分じゃないの?
あれこれ手をまわして、銅像を建ててもらう人もいますね。
そんなにまでして、歴史に名を残したいのですかねえ?
でも、あなた、どこかに旅行でもして、銅像を見つけたら、
この人、一体誰で、どんなことをした人か、興味がありますか?
私は、ありませんね。
その手は食わないよ、というところです。
そんな銅像なんか、お金をつけてやるから、建てさせてって、
無理矢理頼まれてもお断りですね。
顔見合わせなてくも、自分でにっこりできたら、
それで生きていた甲斐があったというものです。
そう考えつつ、吉田さんの写真を見て、
詩とあまりにも見事にぴたりと寄り添っていることに驚嘆し、
思わず、にっこりしてしまいました。
顔を現実に見合わせなくても、
吉田さんと笑みを交わしたような気分になりました。

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by Hologon158 | 2009-11-20 01:06 | ホロゴンデイ | Comments(0)