わが友ホロゴン・わが夢タンバール

129.04 ホロゴンデイ38「2009年11月28日③那覇三日目別れはやはり路地に」4 どこから撮っても

時間芸術は、しかし、ありふれたものたちの芸術化に役立つだけではありません。
本来の芸術作品にまで、極めて有力なステロイド的効果を発揮します。
たとえば、奈良の古寺を埋める国宝級の仏像の数々をご覧下さい。
たとえば、二月堂の日光、月光菩薩。
おそらくきらびやかに彩色してあったはず。
そんな作りたてのほやほやを見て、ありがたいと思えるでしょうか?
芸術という視点などなかった当時の信徒の目には、それでも、
ありがたい存在と映ったことでしょう。
でも、現代人ははたして感動することができたでしょうか?
先年の時の重みが刻み込まれた現在のお姿があるからこそ、
日光、月光菩薩は、世界にも稀なる偉大な立像として、君臨しているのでは?
興福寺の無着、世親両菩薩像はさらに時間芸術の貢献が顕著です。
出来たての塗り立ての無着、世親では、ありがたくもなんともない。
二人の老僧の、ちょっと言葉は悪いですが、古色蒼然たるたたずまいは、
やはり千年の時が創り出した、特殊エフェクトではないでしょうか?
でも、奈良の仏像群と比較しますと、京都の仏像群が魅力に欠けるのは、
この時間芸術化の度合いの差とも感じられることがあります。
京都の仏さんたちを見ますと、こんな風に言いたくなるのです、
「お前さん、まだ青臭いよ。
もう少し経験を積まないと、真剣に拝んでもらえないよ」
こんな風に思うのも、私に信仰がないからでしょうか?
那覇の公園で、とても大がかりな蛸入道風ジャングルジムを見つけました。
何歳なのでしょう?
すでに時間芸術化の道を歩みはじめて、とてもフォトジェニック!
私は、ただ無造作に、例のノーファインダーで、
あっちに向けて、チョン、
こっちに向けて、チョン、
まるで、優れた芸術作品のように、どこから撮っても絵になる。
そんな風に思うのは、撮影者本人だけなのでしょうね。

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by Hologon158 | 2010-01-14 01:45 | ホロゴンデイ | Comments(0)