わが友ホロゴン・わが夢タンバール

138.37 ホロゴンデイ41「2009年8月15日平野の下町人生また楽し」37-完-はさみ虫発見!

甲子夜話(かっしやわ)という奇書があります。
江戸末期、肥前国平戸藩第9代藩主の松浦清(号は静山)が、
隠退をした文政4年11月17日(1821年12月)から世を去った天保12年(1841年)まで、
20年間書き続けられたという随筆集です。
基本的に、江戸時代の名士たちの逸話集ですが、
静山が聴き知ったあらゆることが書かれている、百科全書の色彩もあります。
その中に、家康の面白い話がありました。
お膳の食器の中にはさみ虫が見つかったのです。
お膳係は厳罰を予期して震えあがりました。
すると、家康は、こう言ったのです。
     「まだ、虫はあるかい?」
     「もちろん残してございます」
     「それじゃ、膳を用意した者に食べさせてみなさい」
お膳係、毒味役でもありますから、平気でパクリ。
しばらくして、家康、
     「その者の具合はどうだい?」
     「なんともないようでございます」
すると、家康、
     「そうだろ、その虫は毒でもなんでもない。
     それに、わたしも無事だったじゃないか?」
それで一件落着、なんの咎もなく、お膳係を続けたそうです。
家康の家臣たちが戦場であれほど必死で仕えたのも無理からぬところですね。
王朝の創始者って、だいたいにおいて、こんな風に人間が大きかったようですね。

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by Hologon158 | 2010-02-27 10:21 | ホロゴンデイ | Comments(0)