わが友ホロゴン・わが夢タンバール

140.39 ホロゴンデイ42「2010年1月23日近江長浜しっとり雨に濡れ」39 どうぞ、ご勝手に

「甲子夜話」にこわい話が載っています。

     江戸で知られた狂歌の宗匠が狂歌集を出したのです。
     よほど自信があったのでしょう、つてを頼って、
     京都の冷泉家の和歌の大家に添削、批評を仰いだのです。
     でも、その後いくら待っても、なんの音沙汰もありません。
     しびれを切らして、つてを頼って連絡をしてもらうと、
     歌集が送り返されてきました。
     喜んで歌集を開いて、見れども見れども、添削、批評は見つかりません。
     こりゃ、どういうことじゃ、ともう一度見直したのですが、
     きれいさっぱり手を入れた形跡なし。
     巻末を何気なく開いてみますと、一首の歌。

               敷島の道を横ぎるかま鼬、
                    てんになるべき言の葉もなし

     狂歌師、この歌を読んで、とても及ぶところではない、
     恥ずかしいことをしたと後悔したということです。

これを読んで、感じたことは、
     ぼくも、自分の写真に自信があって、
     さあ、どうだ、凄いだろ?と自慢する気だったら、
     同じ罠に陥ったことだろう。
でも、私はこの狂歌師よりは経験を積んでいます。
私の場合、まだ写真をやっていた頃、いろいろと人に写真を見せる機会がありました。
私の写真たちが受けた反応は、ほとんどの場合、次のいずれかでした。
     当惑
     反発
     拒絶
     嫌悪
     無視
ですから、こうしてブログを作っていきながら、
自分の写真が受けている反応はちゃんと理解しています。
それでも出すのは、江戸の狂歌師とはぜんぜん違う立場で。
     自分という観客のため。
でも、こんな風に書いても、ほとんどの方は文章をお読みにならないでしょうから、
結局、私の写真たちも、写真作品としての厳しい視線にさらされていることでしょう。
私としては、こう言うだけです、
     どうぞ、ご勝手に。
     でも、私は江戸の狂歌師と違って、恥じたりはしませんよ、
     あしからず。

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by Hologon158 | 2010-03-06 00:19 | ホロゴンデイ | Comments(0)