わが友ホロゴン・わが夢タンバール

149.15 ホロゴンデイ「2008年8月23日お盆墓参ついでに大阪梅田に」15 ずっと前から投げている?

あきれかえった話とは、このことですね。
鳩山首相が5月末までに普天間基地移転問題に決着を付ける、
こう再三公約しているというのに、
担当相であるはずの外務大臣と防衛大臣がゴールデンウィークに外遊?
たった1か月と7日しか残されていないのです。
マスコミはこぞって、鳩山首相が公約を守るのは無理、
政治生命は風前の灯火であるとかき立てているのに、
春風駘蕩、我関せずと、外遊を楽しもうというのです。
どちらも口実となる用件があるようですが、
内閣の命運を決する普天間基地問題よりも重要だとは誰も言えない。

いにしえのペロポネソス戦争の時代を思い出しました。
戦後、アーノルド・J・トインビーが喝破しました、
「当時のギリシアと現代は同時代である」
その認識からこの歴史学の碩学は壮大なる歴史観を編み出したのですが、
岩波文庫のトゥーキューディデース「歴史」を読んでみてください。
外交、同盟、戦略、内戦、外征、あらゆる政治の要素が絡み合って、
ギリシアの列強がくんずほぐれつの冷戦熱戦を繰り広げる様は、
まさに現代とまったく同じ。
当時の指導的人物たちは命を賭けていました。
自分の政策、戦略が失敗に終われば、祖国と自分の命はなくなるのです。
死線を超えて、彼らは必死の英雄的な努力を積み重ねたのです。
アテーナイは、はるか遠方のシチリア島を征服することで、
間接的に、宿敵スパルタの孤立化を達成しようと壮大なる戦略を描きました。
そして、アテーナイの国力を挙げて、シチリア島に遠征し、
その指導的なポリスであるシュラクーサイを陥落させようとしたのです。
もちろんスパルタも強力なる援軍を送り、当時の二大陣営が激突しました。
その結果、地の利を得ないアテーナイ軍は大敗を喫し、
幾万もの人々が戦場と刑場の露と消えてしまったのです。
もちろん当時赫々たる名声を誇った将軍(政治家)たちも運命を共にしました。

実は、現代も地球上の各地で各国間で、
同様の壮大なる闘争が水面下で繰り広げられているのです。
その一番深刻なのが米国と中国との覇権争いです。
中国は2年ごとに倍増する予算で、おそるべき軍拡を展開しつつあります。
地続きの韓国、ベトナムは戦々恐々ですが、
中国政府が「一つの中国」であると主張する台湾の不安は深刻です。
中国が将来、このまま圧倒的な経済大国への道を歩み続け、十分な戦備を整えたとき、
日米同盟が解消され、国際情勢が分断化の道を辿ったりすれば、
現在では考えにくい台湾への軍事的進出の可能性だって現実化してきます。
これを抑止しているのは、日米同盟とヨーロッパなのです。
そして、アメリカが対抗できるためには、
強力な軍事力が中国と同等に近接していることが必須条件。
つまり、日米同盟は中国の覇権への野望に対するほとんど唯一の障壁なのです。
私は、当然ながら、憲法9条信奉者ですが、中国の脅威の下では、
現状としての日米同盟こそ世界平和の楯になっていると考えざるを得ないのです。
その日米同盟の軍事的効果は日米がどのように有効な形で強力するかにかかっています。
つまり、普天間基地から移転をするとしても、それによって、
米軍の抑止力、戦力が減退させないという大前提を忘れてはならないのです。
日本政府の担当者は、今、日本の命運を決する重要な問題にあたっていることを
絶対に忘れてはならないのです。
でも、鳩山首相も他の担当大臣たちもまったくそんな切迫感がありません。
防衛省の専門家たちの軍事情勢に対する意見、評価はちゃんと考慮されているのでしょうか?
問題解決のための専門家の一枚岩の共闘態勢は組まれているのでしょうか?
私には、どちらもまったくなされていないと感じています。
言葉とは裏腹に、鳩山首相は命なんか賭けていない!
現実には、日本の運命を賭けての水面下での死闘のまっただ中にいるのに、
まったく気に掛けていない、つまり、そんな認識はまったくない。
外務大臣、防衛大臣はすでに5月末の問題解決を投げているのです。
鳩山首相はどうか?
もう昨年12月に、投げてしまったのです。
彼らは、中国の軍事的脅威など、知ってか知らずか、まったく意に介していない。
これが日本の政治の実態なのです。

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by Hologon158 | 2010-04-23 20:51 | ホロゴンデイ | Comments(0)