わが友ホロゴン・わが夢タンバール

158.39 ホロゴンデイ49「2009年12月12日しとしと古都奈良町に冬の雨が降り」39 Aプラン人間、さらば!

158.39 ホロゴンデイ49「2009年12月12日しとしと古都奈良町に冬の雨が降り」39 Aプラン人間、さらば!_c0168172_2153677.jpg

今日仕事で人と会った際、ちょっと政局の話に及びました。
私、「とうとう鳩山さんもアウトになりましたね」
すると、相手の方がこう言ったのです、
    「あんなに一生懸命やっているのに、可哀想ですよ」
私、ただちに政談から退却いたしました。

でも、一生懸命やったら許される、これは甲子園の高校野球までのお話。
国政のレベルでは、ただ一生懸命やればいいってものじゃない。
鳩山さん、昔ながらの日本特有の単一思考型人間なのです。
    太平洋戦争における日本軍が、奇襲作戦以外では、いともあっけなく破れたのは、
    日本軍がAプランしか持たなかったからなのです。
    第二次世界大戦での米英独各国の軍事作戦はいくつもの代替案を用意するものでした。
        Aプランにはこういう問題、欠点がある。
        その問題、欠点をカバーするためには、Bプランを用意しよう。
        でも、Bプランには...
    こんな風に冷静に作戦を評価検討して、失敗したときの挽回策を用意したのです。

ところが、日本軍は、陸軍も海軍もAプラン一辺倒。
    作戦が図に当たればいいけど、裏をかかれると、もうどうしようもない。
    しかも、日本軍は極めて一本調子に作戦を立案したので、
    しばらくすると、米軍は日本軍の出方をやすやすと見破って用意できたのです。
複合的、複眼的思考がもともとできない民族らしい。

鳩山さん、オバマ大統領に昨年12月「Trust me!」とやったとき、
    彼の胸中にあったのは、沖縄県外に基地を移すことで与党3党合意し、
    その移転先の承諾も取り付け、その案を米政府に突きつけるというものでした。
    そうすれば、米政府も承諾するだろう、そう不用意に予測したのです。
だから、帰国後ただちに3党首会談をして「3党一致した移転先を決定しよう」と約束し、
さらに、移転先の承諾同意も取り付けるのが大前提と公言したのです。
    この作戦が奏功せず、米政府も承諾するはずがない可能性など、
    ちらっとも考えなかった。
この作戦はただちに失敗に終わりました。
そのような移転先はまったく見つからなかったのです。
    Aプラン、見事失敗。

でも、彼はそのプランに固執しつづけました。
    ほんとうに一生懸命に。
    そして、一生懸命やれば、きっと地元も分かってくれる、そう信じて、
    徳之島案を持ち出したのですが、社民党も地元も米政府も一斉に猛反対。
たしかに一生懸命やったのでしょう。
    でも、まったく国防、外交のことを勉強もしないで、
    かってに独自の案を出して、見事、砕け散っただけ。

国防専門家にブリーフィングを受けたら、ころっと態度を変えて、
    沖縄県内に米軍基地がなければならないという案に180度急転直下の転進。
    半年も経ってからでは遅すぎる、というものです。

十分勉強もせず、専門家のブリーフィングも受けずに、国防政策を決定する、
首相として約束して、それを反故にしたら、国際的信用を完全に失墜する、
ということも知らずに、気軽に最大限の信頼を求める言葉を発して、
ごく気軽に約束を破って、謝罪等の誠意ある反省行動を一切しない、
    これこそ素人そのものの浅はかさですが、

それを「一生懸命やった」と免罪できるでしょうか?
    現地を調査せず、敵軍の動きも探知せず、ただ一方的に突撃路を策定して、
    あとは神の加護にいちずにすがった、太平洋戦争の参謀たちとまるで一緒。

でも、日本人がすべて単一思考型人間とは限りません。
    硫黄島の栗林中将のように、柔軟で複眼的思考をできる人間もいるのです。
ところが、そんな人は、残念ながら、日本では人気がありません。
    だから、橋下知事のような単一思考型人間が人気を博して、
    ますます大きな顔ができる。

日本人が、マスコミからのあてがい扶持の評価とフィーリングに頼って、
投票し続ける限り、今後も同種の政治家たちが出ては消え、

    「よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし」
by Hologon158 | 2010-06-02 21:59 | ホロゴンデイ | Comments(0)