160.47 ホロゴンデイ50 「2010年2月9日晴れの天王寺で僕はごきげん」47 逃げているな
You Tubeに「Garry Winogrand Photographer」があります。
(http://www.youtube.com/watch?v=eitfGxc6vbw&feature=player_embedded#!)
どうやら、ウィノグラント晩年の撮影風景。
彼のスナップ風景、面白いですね。
立ったまま、アイレベルで、真っ正面から堂々と撮っています。
よほど肝っ玉が据わっていないと、正面対決は無理でしょう。
ずかずかと人の家に平気に入り込む、そんな切り込み方です。
歳をとっているせいか、あまりスピードは感じられません。
ああ、名人だなあと思わせるような水際だったところはありません。
かなり無骨で無造作なスタイルです。
構図を気にしている様子はありません。
徹底的に人間だけを撮っています。
人間を撮るのが大好き、そんな表情が全身にあらわれていて、
ひょっとすると、そんな気持ちがにじみ出ていて、
一生そんな風に撮り続けた人間だけが醸し出す雰囲気があって、
撮られる方も、なぜか彼を許したのかも知れません。
とにかく、逃げていない!
そんな彼の撮影シーンを眺めて、自分の撮り方を振り返ると、
逃げているな、そうはっきり感じます。
ウィノグラントは、気づかれても、ぐいと踏み込み、
その撮影者と相手との人間関係もまた写真にしてしまいました。
私は、気づかれたくない。
気づかれると、写真がいつも死んでしまう。
私という人間に、ウィノグラントのような大きさと覚悟がないせいでしょう。
だから、気づかれないために、ホロゴンウルトラワイドを選び、
絶対にその距離ではとらないだろうと誰もが考えているような距離、
50㎝前後で、腰だめで撮る方法を選びました。
もの、情景まで、同じ方法で撮ることにしました。
ですから、ウィノグラントのようなヒューマン・リレーションは撮れません。
人、ものだけ、クローズアップ。
ですから、私の写真は、人が見ると、ぜんぜん面白くないですね。
私という主体と相手との関係だけが写っていて、
ただの個人的な心覚え程度でしかないからですが、
真っ正面、水平垂直という非写真的、四角四面のアプローチのせいもあるでしょう。
ウィノグラントの撮影シーンを見て、私が感じたのは、こうでした、
自分はただしい方向に向いている。
あれが写真家なんだ!
真似など到底できないし、したくない。
このままホロゴンでひっそり楽しみましょう。
by Hologon158
| 2010-06-17 10:29
| ホロゴンデイ
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