162.91 ホロゴントラベル2「2005年9月青森は弘前の町の風情にしびれたね」91 待っていてくれたんだ!
随分前のことです。
奈良の通りを歩いていますと、
むこうになにやらうごめくもの。
地面近くでごにょごにょとのたくるようにして、接近してきます。
私は、近眼なのですが、眼鏡がきらい。
だから、かけていません。
20メートルあたりまでははっきり見えますから、不便はありません。
でも、50メートルあたりになると、きついですね。
像がぼやけています。
30メートルあたりに近づいて、わかりました。
保育園の子どもたちがロープの輪の中に入って、汽車ごっこをしながら、
散歩の最中だったのです。
そのあたりになっても、ごにょごにょうごめくだけで、
一向に前進しません。
早足の私だけが近づいて行っている感じでした。
接近してよく見えるようになると、もう可愛かったですね。
今回の写真のようなものです。
男の子も女の子も、あるかなきかの足をちょこちょこと突き出しながら、
せっせと歩いているのですが、群れの進行方向はまっすぐではない。
あっちに寄り道、こっちに寄り道。
まるで魚群のようです。
子どもたちの学習速度は信じがたいほどです。
こんな汽車ごっこからも、なにかを、
そして、道を歩きながらも、なにかを、
海綿が水を吸収するように、さまざまな情報を頭の中に収めているのかも?
このお祭りのときには、男の子たち、
じっと凝視して、貴重な情報を頭脳深く収めたはず。
え、なんの情報。
もちろん、ホロゴンウルトラワイドという珍品カメラを、ですよ。
子どもたち、みんな50㎝ばかり前方のレンズをのぞき込んでいるのです。
未来をちょっと予測してみましょう。
この子たちの一人がカメラ店でホロゴンウルトラワイドに目をとめる。
脳裏を閃く光。
「あれっ? このカメラ、ぼくを待っていてくれたんだ!」
そして、そのホロゴンウルトラワイドこそ、私のカメラかも知れない?
してみると、私にも、昔、同じことが起こったのかも?
私が大切にしているこのホロゴンウルトラワイドこそ、
そのとき私の脳裏に刻みつけられた、まさしくそのカメラなのかも?
もしかすると、このど真ん中の男の子、
ぼくなんじゃない?
by Hologon158
| 2010-07-10 12:12
| ホロゴントラベル
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