164.10 ホロゴンデイ51「2010年4月24日お気に入りの心斎橋は今日も華」10 不思議です
前回のお話で、懐かしく思い出しました。
当時、私はハイアマチュアそこのけの重装備でした。
ボディは、コンタックスRTSⅡとヤシカFX3。
レンズは、ディスタゴン35/2.8、プラナー50/1.4、プラナー85/1.4、
そして、オリンピアゾナー180/2.8.
ホロゴンもスーパーアンギュロンもトポゴンも地平線の向こう。
当時は一眼レフが私の最高の武器だったのです。
とくに、85㎜と180㎜は、十数年間、最愛の友でした。
テンバだったかどこかの大振りのカメラバッグも武器。
レンズがずらりと並び、コンパートメントは1つ空いています。
レンズをボディからサッと外し、
フラップを跳ね上げて、レンズを空きコンパートメントにすとんと落とし、
出番のレンズをさっと取りだして、ボディにさっと装着。
このレンズチェンジの速度が勝負、随分練習しました。
ズームの方がずっと便利なのに、そうおっしゃる方もおいででしょう。
とんでもないですね。
便利なことには、沢山の犠牲が隠されています。
目の前の光景を何㎜で取るべきか?
このとっさの判断がものを見る力を高めます。
単体レンズは、レンズを動かすのではなく、身体を動かします。
被写体に対するスタンスを、前進してとる、
ファインダーを見ながらではありません。
ここぞというポイントに来たら、
あらかじめ手の中でレンズのヘリコイドを動かしておいて、
すっとカメラを持ち上げ、微調整で合焦させて、その瞬間、撮る!
この練習もまた、ものを見る練習になります。
被写体と、カメラとレンズと慣れ親しむことが勝負。
あなたが、オートフォーカスのズームレンズと完璧なAEを備えたカメラで、
写真を始めたとすれば、もうしわけありませんが、
不幸なのです。
ちゃんとした写真が撮れるために、何年も何年も苦労して、
はじめて写真というものが分かってくるのですから。
そして、一生かかっても、まだ写真のことは理解し尽くせない。
少なくとも、私はそう考えてきました。
今のみなさん、いきなり写真のこと、カメラのこと、
全部わかってしまっているように、堂々たる自信に満ちておられます。
不思議です。
by Hologon158
| 2010-08-02 13:50
| ホロゴンデイ
|
Comments(0)