わが友ホロゴン・わが夢タンバール

168.12 ホロゴンデイ52「2007年1月13日当麻から竹之内街道へ孤独の道を」12 ぐるっと見回し


あらゆることがそうなのですが、
この世の技芸のなにかをとってみても、
    理想とされるものは人ごとに全部違います。
絵でも音楽でもすべて同様です。
    それでも、絵や音楽は伝統があり、規範となるものがあります。
    それがほとんどないのが写真ですね。
写真が純然たるアートではないことが、事態を複雑にしています。
    写真はアート、記録、ホビー、冗談、なんにでも使えます。
    新潟ブロガー写真展も、7人の皆さんの方向、理想はそれぞれ独自、
    出来上がりの作品もみんな独特の個性が際だっていました。

評論家の飯沢耕太郎さんがおもしろい話を記録していました。
    東京には、すべての写真展を見尽くす方がお二人居られるのだそうです。
    どこに行っても、その名前が記帳されている。
    後になった方は、「負けた!」
東京にいくつギャラリーがあるでしょう?
    おそらく何百?
    丁寧に見ていたら、とても間に合いません。
飯沢さんがそのお一人にコツを尋ねました、
その答えが傑作です、
    「ギャラリーの中心に行って、ぐるっと見回します。
     そして、目に付いた写真だけ見て、出ます」
こうなると、疑わしくなってしまいます。
    写真展を楽しむためなのか、
    ひたすら全ギャラリーを巡回する目的達成のためか?
    ギャラリーが数百もあれば、
    じっくり観たいという写真展に月にいくつも見つかるはずです。
    そんな写真展まで、グルッ、パッ、サイナラですませては居られないでしょう。
    ヒットエンドラン方式は、良い写真展をしっかり楽しむための便法なのでしょう。
    全部ットエンドランだったら、続きませんね。

新潟ブロガー7人展にこのお二人が来たら、どうしたでしょうね?
    思うに、このお二人の写真志向がなんであれ、
    この7人の誰かの写真に目が止まってしまったはず。
    私がいる間には、このお二人がこなかったことは保証できます。
    お出での皆さん、長々と滞留しておられました。
それでも、私はひそかに自負しています。
    写真展に3回来た方がほかにもおいでになるかも知れません。
    でも、私ほど長い時間、すべての展示と対話した人間はいないはず。
    私はとても好き嫌いのはっきりした人間で、
    しかも一目でそれが決まってしまいます。
    そんな私がこの写真展の全部が気に入ったというのは、ちょっと信じがたいことです。
だから、いつまでも考え続けてしまいます。
    大阪流に言いますと、
    高い旅費のもとがとれた感じですね。


168.12 ホロゴンデイ52「2007年1月13日当麻から竹之内街道へ孤独の道を」12 ぐるっと見回し_c0168172_0292822.jpg
168.12 ホロゴンデイ52「2007年1月13日当麻から竹之内街道へ孤独の道を」12 ぐるっと見回し_c0168172_0291742.jpg

by Hologon158 | 2010-08-22 00:31 | ホロゴンデイ | Comments(0)