わが友ホロゴン・わが夢タンバール

180.10 ホロゴンドラマ13 「ありふれたもの ありふれたとき」10 ありふれたフロントグラス


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あなた、愛車のこんな姿を見たいと思いますか?
    何年か、自分の足となって働いてくれた愛車のなれの果て。
    奈良の西端の町五条駅近くの公園横の駐車場で、この車を見つけました。
持ち主は一体どこに居るのでしょう?
    どうして、こんなところに放置しているのでしょう?
    なにかやむを得ない事情が隠されているのでしょうか?
    なぜ、フロントグラスがこんな風にたたきつぶされているのでしょうか?

一番分かりやすいストーリーは、こうです。

    持ち主は、返しきれない借金をどっさり抱えて、
    手指が2本も足りない取立屋に追われる身になっていました。
    追跡されて、かろうじて車でここまで逃げてきました。
    もうこの町には居られない。
    そう決断した持ち主は、駐車場に残す愛車に別れを告げ、
    電車で高飛びへの旅に旅立ちます。
    その直後に取立屋が到着し、残された車を見て、
    持ち主がまんまとすり抜けたことを知ります。
    怒り狂った取立屋は、腹いせに、手近の石を取り上げて、
    フロントグラスを粉みじんに砕いてしまいました。
    指の2本足りなくても、腕の力は人並み以上だったのです。
    でも、こんなことをしても無駄でした。
    持ち主とお金はついに五条に戻ることがありませんでした、とさ。

つくづく思うのですが、その逆でなくて、よかった。

    車の方が、慌ててしまい、つい自分が追われている気になって、
    駐車場に持ち主を残して、電車に飛び乗って高飛びしてしまい、
    あわれ、取り残された持ち主は取立屋に追いつかれ、
    顔面を粉みじんにされてしまいます。
    私がその第1発見者となってしまうのです。
    私の通報で警察が到着するけれども、鑑識が出払って、
    カメラマンもカメラも到着しない。

殺人課の刑事さん、その鋭い眼をホロゴンウルトラワイドにギラリと走らせ、
    ぐっと詰め寄り(その目は、犯人はお前かもとはっきり語っている)、

    「第1発見者さんよ、えらく立派なカメラを持ってるじゃないか?
     ついでだから、頼まれてくれないかい?
     そのカメラで、ホトケさんの顔をちょっと撮ってくれや?」

おお、おお、考えただけでおぞましいですね。
    でも、車だって、こんなにされちゃ、浮かばれませんね。
by Hologon158 | 2010-10-14 15:09 | ホロゴンドラマ | Comments(0)