わが友ホロゴン・わが夢タンバール

185.05 ホロゴントラベル7「グレートブリテンって、いのちの洗濯場だった」5 手裏剣のように


185.05 ホロゴントラベル7「グレートブリテンって、いのちの洗濯場だった」5 手裏剣のように_c0168172_2231577.jpg


この写真もバイバリーだったと記憶しています。
    記憶しているだけで、記録していない?
    そうなのです。
当時は、私も写真作品を作りたいという気持ちでした。
    コンテストには応募しないけれど、
    写真クラブで、講師や仲間に見てもらう、ただそのために。

大きな全国組織の写真クラブに所属したこともあります。
    たった8か月だけ。
奈良県に10ばかりの支部があり、各支部ごとに月例会を開きます。
    そこで、講師が採点したトップ5点だったと記憶していますが、
    本部例会に出品され、県本部委員たちの採点で、順位がつきます。
    順位に点数があり、その点数を合計して、年度賞を決めるのです。
私も当時はやる気があったので、年度賞3位でした。
    途中参加で、しかも200人以上の会員がいるのですから、
    まあまあ、作品らしい写真を撮っていたのでしょう。
でも、最初の年度が過ぎたとき、考えました。
    ふと気づいたのです。
    なんだ、これもコンテストみたいなものじゃないか?
    いつの間にか、高位を狙おうとして、それに合う写真を選択している。
    これじゃ、結局、ぼくのコンテスト屋になっちゃうぞ!
    ということで、すっぱりやめてしまいました。

ちょっと話が飛びましたが、
    そんな風に作品主義だったことが災いしました。
    現像できたポジはマウントしてもらっていました。
    卓上のライトボックスに、ポジをトランプのように並べ、
    高価なピークルーペで、36枚のマウントを並べてはチェックして、
    ダメだと思うと、手裏剣のように、ライトボックスから飛ばしました。
    残ったマウントをさらに並べ替え、また手裏剣。
    こんな風にして、36枚から、ほんの数枚を残して、
    手裏剣となったものはすべて惜しげもなくゴミ箱に。
ああ、私は、自分が見る目があり、その目は過たないと、
    傲慢に過信していたのです。
    こうして、営々として撮った写真のほとんどが、
    哀れ、ゴミ箱に消えてしまったのです。
たいていの人は、マウントに撮影時期、場所、レンズなどを記載します。
    私は、ひたすら撮っては捨て、撮っては捨て人間だったので、
    そんなこともしなかったのです。
    知らない間に、私がいいなと思ったものまで、消えて行きました。
    ホロゴン写真の3分の1も、ほとんど、こうして消えてしまいました。
私がネガ全部を保存するようになったのは、
    ネガカラーを使い始めてから。
    (なお、最初のモノクロ時代12年間の3600本は今でも全部保管。
    でも、これは無意味。
    見るに耐えない!)

    無駄ばかりしている人生みたいですね。
by Hologon158 | 2010-11-04 00:17 | ホロゴントラベル | Comments(0)