185.28 ホロゴントラベル7「グレートブリテンって、いのちの洗濯場だった」28 ホロゴンパック
パッキングの目的はなんなのだろうか?
ちょっと考えてみました。
写真の場合、パッキングが威力を発揮します。
見ることだけに注意が集中できるようにすること、
これが撮影パッキングの目的ではないでしょうか?
私の場合、パッキングできているのは、
おそらくホロゴンウルトラワイドだけでしょう。
パックされている一連の手順はこうです。
笑わないでくださいよ、必ずこうするのですから。
1 バッグからホロゴンウルトラワイドを取り出す。
2 いったんストラップを首にかけ、ホロゴンウルトラワイドを胸に吊します。
3 ライカ用の皮ケースの上蓋のマジックテープを外し、
次の瞬間、目にも止まらぬ早業で、皮ケースの底を下に引っ張ります。
4 一種の手品風に、ホロゴンウルトラワイドが出現します。
5 このときには、撮影モード全開。
6 組み紐の丸ロープ風ストラップを首から外し、
右手に3回巻き付けます。
こうすることで、ホロゴンウルトラワイドは右腕に接合されます。
誰かがぶつかっても、カメラが手からこぼれ落ちることもありません。
7 その場の露出にあわせて、
シャッター速度を自動的に変更しながら、歩きます。
ホロゴンウルトラワイドは絞りf8固定なので、
露出はシャッター速度で調整するのですが、
シャッター速度は500分の1までなので、
ASA感度100のフィルムでは、EV値15。
だから、125分の1秒がEV値12の日中のふつうの明るさ。
8 いいっ、心が動いたら、さっとカメラをその真っ正面に突き出して、
一枚。
9 ゆっくりとフィルムを巻き上げながら、
目はもう次の被写体を追っている。
これが1パック。
平均15分に1本、ということは、フィルム交換等で3分使うとして、
12分で36枚、つまり、1分3枚のスピード。
これがこの数年の安定した作業速度です。
こんな風にパッキングすることで、
自分の体験を記録することができるようになったのです。
写真は作業、記録じゃない!
感動を写真作品に昇華する、芸術的な仕事なのだ!
そう、あなたはおっしゃるかもしれませんね。
でも、私の場合は、シャッターを押すまでが私の仕事で、
あとはホロゴンにお任せなので、
ただ感動すればいい、それを作品に構成する仕事などありません。
ですから、本来の写真家的な創造行為とは似ても似つかぬ、連続作業。
パッキングしてしまうと、撮影は楽な仕事です。
ホロゴンが、あくまでも私にとってですが、
おもしろい写真を撮ってくれるとわかっているので、
とても気楽。
でも、おまちがいなく。
この1パックにパッキングできたことで、
ホロゴンを駆使できるようになったと言っているのではありませんよ。
ただ、作業が無意識にできるようになっただけ。
いつか、ホロゴンのことを完全に理解できるようになり、
ホロゴンがどんな写真にするのか、完全に予測できるようになるか?
こんな風に質問化すると、
とてもおぼつかなくなります。
その可能性はほとんどない!
by Hologon158
| 2010-11-09 17:32
| ホロゴントラベル
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