190.28 ホロゴンデイ57「2010年10月9日葛城古道はやまぬ雨に暗く沈み」28 大事にしなくちゃ!
ときどき考えるのですが、
芸術家というのは、魚群の中から飛び出す1尾の小魚なのですね。
魚群は、渦を巻いています。
捕食魚が魚群に入り込むと、食物があんまり一杯目の前を駆け回るので、
結局、訳が分からなくなって、魚群からほうほうの体で逃げ出す、
というような説を読んだことがあります。
ですから、魚群の中では、魚たちはたえずランダムに動き回っている。
ところが、群れの外に飛び出す魚がときどきいます。
その小さな動きが因果関係の連鎖、チェーン・リアクションの出発点。
魚群は知らず知らずに、その方向に動き始めるのだそうです。
この世には無数の人間が生活しています。
何も考えずに生活している人もいれば、
たえず芸術を創造している人もいます。
心が感じたものを形にしたものが芸術であるとすれば、
芸術家たちは、感じる力を増強する方向に知らず知らずに働いています。
たとえば、カンディンスキー。
一枚の絵を描きます。
抽象画と呼ばれるようになる、具象画でない絵。
最初は、誰も理解できません。
なんで、こんな訳の分からないものを絵にするんだ?
時間の無駄じゃないか?
芸術家はつらいですね。
はじめは新しいものの見方を認めてもらえない。
でも、次第に人々は感じ始めます。
ふーん、こんな風に見える人がいるんだな?
これは、なんなのだろう?
そして、同じ方向で芸術創造の波が次第に高まり、
芸術の新しい流れができます。
抽象画が20世紀に流行を極めました。
こんな風にして、意識するにせよ、しないにせよ、
芸術家たちが人類の感受性を高め広げてくれています。
もっと芸術家を大事にしなくちゃ!
by Hologon158
| 2010-11-28 18:21
| ホロゴンデイ
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