わが友ホロゴン・わが夢タンバール

195.26 ホロゴントラベル8「2010年12月5日大阪茶屋町にズミクロン50mmf2見参」26 陽関三畳


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二胡、揚琴はやさしく見えて、奥が深いですね。
    なんでもそうですが、
    やさしいものほど、難しい。
    つまり、実は、やさしくなんかない。

二胡の大演奏家に閔惠芬さんが居ます。
    彼女の「陽関三畳」は名演。
    もう100回以上聞きました。

        飽きない。
        飽きるどころか、
        聞けば聞くほどに、深みを増してゆきます。
        前には気づかなかった発見にはっと驚きます。
        聞く度に、感動します。
        最高音から最低音まで、フォルテからピアニッシモまで、
        そのすべてのダイナミックレンジの中で、
        一つ一つの音、パッセージが、息を呑むような精妙さ、豊かさで、
        完璧に歌いあげられてゆきます。
        その一つ一つの音から、二度と会えないかも知れない友への、
        友情と愛惜と不安とがこみ上げてきます。
        凄みさえ感じられます。

    小沢征爾さんが、彼女の「江河水」の演奏に接して、
    終わると、机につっぷして号泣したという話が残っています。

彼女のCDを十数枚持っていますので、繰り返し聴いてきました。
    私も妻も、彼女はマリア・カラスやフルトヴェングラーに比肩すべき、
    古今最高の名演奏家の1人だと納得しています。
でも、二胡に親しんでいない人にはそれは分からないかも知れません。
    最低の1から最高の10まで段階分けしますと、
    1の人は2、3はかろうじて分かりますが、4,5は困難、
    9、10は想像をはるか彼方に超えてしまっています。
誤解しないでください。
    私の二胡音楽の理解能力が9、10になっていると言っているのではありません。
    理解が深まるにつれて、
    閔惠芬さんの偉大さがどこまでも果てしなく高みに上っていく、
    そのことに驚嘆しているのです。

この世のことすべてで、同じことが言えるのではないでしょうか?
    知らぬが仏。
    知れば知るほど、実相がだんだんと見えてくる。
by Hologon158 | 2010-12-21 15:31 | ホロゴン外傳 | Comments(0)