わが友ホロゴン・わが夢タンバール

226.12 ホロゴンデイ67「2011年3月7日東京4日目の朝は雪だった」12 アストロよ、さらば



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モソグラフィついでに書きます。

私のような妄想写真を撮る人間にとって、
実在感とか再現性という理想は完全に無縁。

RAさんから借用のアストロ・ベルリンのパンタッカー50mmF2.3、
これなど、有名なKino Plasmatほどではありませんが、
昨日の撮影結果を見ますと、
開放近くでは、周辺部はかなり非現実的に像が劣化し、
全体として、なかなか玄妙なイメージになります。

こんな描写で、どうして映画用レンズとして名声さくさくなのか?
ちょっと理解できませんね。
でも、私は映画を撮るわけじゃなし。
このレンズの持ち味は、
撮るものを独特の世界に移してくれるのですから、
こたえられませんね。

実は、私も昔、このレンズを使っていたのです。
安かったのです。
でも、当時は、コンタレックスのプラナー50/2という、
稀代の名レンズに夢中になっていた時代でした。
開放でも、堂々たるスケールで、超高解像のイメージ。
隅から隅まで横綱の貫禄に溢れるレンズでした。
ホロゴンやビオゴン21/4.5の兄弟なのですから、当然と言えば当然。
ですから、アストロ・ベルリンは、
50、75、125と3本のパンタッカーf2.3シリーズを使ったのですが、
結局、すべて私のもとから離れていってしまいました。

今では、Kino Plasmatほどではありませんが、
とても手のでない高額レンズになってしまいました。

それにしても、このような有為転変が写真でも起こるのです。
かつては、実在感溢れる写真を理想としていた私が、
ホロゴンによる変身譚一辺倒になってしまい、
さらには、オールド映画レンズによる幻想の世界に没入してしまう。

1つ言えることは、運命に逆らうことはできない、ということ。
牛に引かれて善光寺参り、ならぬ、
レンズにひかれて幻光路参り、というところでしょうか?

同時に使ったボシュロムのバルター50mmf2.3と比較しますと、

バルター50mmf2.3はがっしりと厚みのある描写。
パンタッカー50mmF2.3は空気感溢れる繊細描写。

私の好みは、どうしてもバルターに傾きます。
使い勝手がよくて、どの絞りでも絶妙の深み。
というわけで、昨夜、パンタッカー50mmF2.3は、
しぶしぶながら、RAさんにお返ししたのですが、
ついでに、私がMマウントに接着するために持参したMLリングまで、
レンズに付けたままお返ししてしまいました。

返してくれるかな?


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by Hologon158 | 2011-05-01 14:02 | ホロゴンデイ | Comments(0)