わが友ホロゴン・わが夢タンバール

231.25 ホロゴン外傳16「2011年5月14日伏見稲荷をおかしなレンズたちが」25 濡れて行こう



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今日は、難波から心斎橋を一人で歩いてきました。

もちろん、雨でした。
一日中、びしょびしょと濡れ続けました。
でも、雨ほど、写真になる天候はありませんね。
まず、無用な色を消してくれます。
ものみな濡れて、しっとりとします。

本日の道具は、2本。

ライツCLにつけたホロゴン15mmf8。
オリンパスにつけたキノプラズマート15mmf1.5。

本当は、これにタンバールを、と考えたのです。
でも、この雨です。
できるだけ軽装で歩き回りたい。
タンバールはかなり重いレンズです。
小さな傘の中に収まるものだけにと考え、あきらめました。

私のもっとも大切な3本のレンズの揃い踏みが実現しなかったのは、残念。
それにしても、私がレンズ遍歴の果てに、
このまったく異質な3本のレンズにたどり着くなんて、
まったく予想もしなかったことでした。

でも、レンズとの出会いはつねに一目惚れです。
fall in love
出会い頭に、はっと胸を打たれ、これがないと生きていけない、
と言うと、ちょっと大げさですが、これにとても似た気持ち。

絶対音感、これに近いなにかが私たちの中に備わっていて、
あるレンズを見て、そのレンズの写りを見ると、

どんぴしゃり、これだ!

絶対レンズ感。
そんな風に言えそうですね。

今日は、そのうちの2本と歩くのです。
子供の頃の記憶ですが、講談かなにかで、
幕末の勤皇の志士月形半平太が芸者から傘をと言われて、言います。

「春雨じゃ、濡れていこう」

映画でのシーンだったかも知れません。
そう言って、京の夜の町を芸者と二人で歩いていくシーン。
今、これをなぜか思いだし、気がつきました。
死と隣り合わせに駆け続ける半平太には、
夜の町を好きな女性とのんびりと歩けるこの一瞬が
なにものにも代え難いほどに貴重だったのです。
好きな女性がいればこそ、雨がすてきなのです。

ふつう、人は雨の中を歩き回ったりしないものです。
大好きなレンズと一緒だからこそ、雨の町を歩くことができるのですね。
梅雨の雨ですが、なんの、雨に変わりがありましょう。
まだ、春です。

春雨じゃ、濡れていこう。
ただし、大事なレンズたちは傘の中。
by Hologon158 | 2011-05-28 22:48 | ホロゴン外傳 | Comments(0)