わが友ホロゴン・わが夢タンバール

257.06 ホロゴン外傳23「2011年7月16日④クセノン50mmf2が鶴橋に分け入った」6 ちょっと無理



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№04で、会議で、メンバーそっちのけで1人考える人を紹介しましたが、
もう1人、似た人を思い出しました。

哲学者です。
彼は、大学のゼミナールで、学生達にあるテーマで論じさせている最中、
突然、思考の渦に巻き込まれます。

その瞬間、彼は自分がゼミの場にいることも、
学生たちが廻りにいることもすべてを忘れてしまい、
思考に没入してしまうのです。
思考の権化となり、忘我の境地に浸りきってしまうのです。

ソクラテスがそうだったと、弟子のプラトンは書いています。

    アテーナイ軍がギリシア北部のポテイダイアという町を包囲しました。
    哲人はこの遠征軍に加わっていたのですが、
    陣営のなかの道をスタスタと通りかかり、
    突然立ち止まって、そのまま凍り付いてしまいました。
    厳冬の最中なのに、軽装の身なりで立ちつくし、
    朝方、ふっと思考の世界から戻って、スタスタと歩き去ったそうです。

はたからは全く想像もつきませんが、
ご当人は、なにか以前から気がかりだったある思考が
突然するすると糸が解けるに展開し、
どんどんと問題が解けてゆくその急転回に、
目くるめくような恍惚感に酔いしれる思いだったのかも知れません。

このような思索力に恵まれている人って、
どんな世界に生きているのでしょう?
想像もつきませんね。

昔、お盆のお参りに来ていただいた若い住職さんが、
ご祈禱のあとの歓談でしてくれた話を思い出しました。
浄土真宗のお坊さん。

    教典にのっとって、頭の中で思考を組み立てる修練をします。
    どのようなことなのか、想像もつきませんが、
    頭の中に、教義の一節ずつを組み合わせていって、
    いわば三次元の構造物を構築する作業なのだそうです。
    もうあと少しで組み上がる、そんなぎりぎりの瞬間に、
    子供が部屋の戸を開けて、

    「お父さん、ご飯!」

    その途端に、折角組み上げた構造物ががらがらと崩れ落ちるのだそうです。
    住職さん、しみじみと、

    「もう気が狂いそうになります。
    家族もちには、ちょっと無理ですわ」

    一同、合掌.............
by Hologon158 | 2011-08-11 12:04 | ホロゴン外傳 | Comments(0)