わが友ホロゴン・わが夢タンバール

265.10 ホロゴンデイ76「2006年11月9日故郷大和高田にホロゴンとお忍びで」10 オールを漕ぐ


265.10 ホロゴンデイ76「2006年11月9日故郷大和高田にホロゴンとお忍びで」10  オールを漕ぐ_c0168172_16593399.jpg

265.10 ホロゴンデイ76「2006年11月9日故郷大和高田にホロゴンとお忍びで」10  オールを漕ぐ_c0168172_16592678.jpg




アーノルド・J・トインビーは、文明が衰微する原因をこう表現しました、

    「文明は、オールを漕ぐのを忘れたとき、衰退する」

日本社会における組織はピラミッド型の階級構造です。
地位が上昇するにつれて、職務よりも出世が心を占めるのでしょうか、
次第にオールを漕ぐのを忘れる人が多いようです。

アメリカでも同様のことがあるらしく、
マーフィの法則にこんなのがあります。

    「人は、無能の極致まで出世する」

出世した人は基本的に無能になり果てているというわけです。

東電だって、下級職員は、原発の危険にはっきり気づいていたでしょう。
チェルノブイリをはじめとして、国内外で慄然とすべき事故がかなり頻出し、
さまざまな論文、研究報告に接して、
安全保護システムの不備は気づいていたでしょう。
でも、改善策の具申はすべて却下されてきたことでしょう。
上司たちは、自分たちの施策を批判されることを好みません。
自分たちが現場でやってきたことを改善するのは、自己否定につながりそうで、
決して認めたくないし、慣れ親しんだやり方を変えたくない。
すでにオールを漕ぐのをやめているのです。

中央官僚をはじめとして、公共団体の職員は、
担当領域だけは誰にも負けない。
だけど、自分たちの担当領域を外れると、驚くほどに無能です。
それでやっていけると信じています。

でも、いかなる人の担当分野も社会の大きなネットワークの一部であり、
社会全体の動きと密接に結びついています。
その社会が激しく流動しています。
でも官僚たちは、自分の担当領域は不可侵であるかのように、
このネットワークの動きを無視して、旧套墨守を続けていきます。

原子力委員会や保安院が、原発の安全性チェックの機能を忘れて、
原発の円滑な操業支援システムに堕落してしまったのも、
それが一番安全かつ安楽な仕事だから。
流れに棹をさすな、長いものには巻かれろ、です。

日本の社会は、第二次世界大戦後の冷戦の米ソ対立のさなか、
極東に有する唯一の安定した民主国家として、
米国にとっては不可欠不動の防波堤という立場にありました。
その米国の庇護の下にあまりも順調に経済発展を遂げてきたせいで、
日本人は、いつしかオールの漕ぎ方を忘れてしまいました。

米ソ対立の2極構造が突然がらがらと崩れてしまった後、
米国が1極支配の体制を確立したかに見えたのですが、
西ではヨーロッパの団結、
東では中国、インド、韓国等のアジア諸国の台頭を受けて、
米国の支配的地位はぐらぐらと揺らぎはじめて、
国際関係は、出口の見えないカオスの方向にじりじりと流されつづけています。

でも、日本の政治家たちは、
もう長い間オールを漕ぐことを忘れてしまったために、
そんな混乱の国際関係の中あっぷあっぷする日本の舵をどうとればよいのか、
まるきり見当がつかないまま、
慣れ親しんだ党内抗争と政党間の覇権争いに喜々としていそしんでいます。

自民党が、民主党新政権を「攻め所満載」と喜んでいると報道されていますが、
国会で足の引っ張りあいをしているときですか?

なにを考えているのですか?

    今こそ、原発事故の処理と震災からの復興、
    全政治家が日本経済の再建に協力しあうべきときではありませんか?

小沢は小沢ですね。

    総裁選3連敗でとうとうしびれを切らし、
    最後の奥の手、
    来るべき刑事裁判にともなって生じる、
    どうしようもない立場の不安定かを一打逆転すべく、
    政権を奪取する意志を固めたようですね。
    誰も、あなたが首相になることなど、望んでいないのにね。

彼も、金丸から利権システムを受け継ぎ、
オールを漕ぐのをとっくの昔に忘れてしまった一人なのですが、
ご本人、気づいていない。

    自分が時代遅れになっていることを気づかない、
    これがオールを漕ぐ人の特徴ですね。
by Hologon158 | 2011-09-05 17:45 | ホロゴンデイ | Comments(0)