281.07 ホロゴン外傳23「2011年11月6日スピード・アナスティグマート25mmF1.5が入城」7 ここに居た!
木造もそうですが、石造のものにも、
どうも心にぐっと来るものを感じてしまいます。
あなたはいかがですか?
現代のものは、ぐっと来ません。
たとえば、巨大ビルの正面玄関の大理石の柱。
実は、うっすら剥ぎ取られた大理石が表面に貼られているだけ。
見ただけでは分かりませんが、説明される前から、ぐっとも来ない。
でも、パルテノンに立つと、土台もエンタシスもビンビン響いてきます。
石工たちが一打ち一打ち削りだしたのだ!
その果てしない労苦と細工とセンスに感動します。
大阪城もそうです。
荒削りに切り出されて、
人の足ですり減らされた石段が一番ぐっと来ます。
石工たちだけではなく、先人たちの気配を感じるからでしょう。
この石段を上下した何千、何万という先人たち、
今は、おそらくその99%がこの世にいない。
でも、ある日、あるとき、ここに居た!
この石段を上り下りしたんだ!
人を愛し、愛され、苦しみ、悲しみ、喜んだ人が居たのだ!
だから、こんなにすり減ったんだ!
冷たい石の表面を実は人のあたたかい気配が包んでいます。
だから、心にぐっと来るのでしょう。
by hologon158
| 2011-11-08 11:39
| ホロゴン外傳
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