わが友ホロゴン・わが夢タンバール

306.08 ホロゴン外傳31「2012年2月18日ペラール28mmf4持って冬の西陣で」8 不思議なのは



江戸時代、江戸は大火の名所だったようです。

冬季、乾燥しきった江戸の町に火がつくと、
上州下ろしの空っ風に吹き煽られて、
江戸の名物の火消し達がわっと気負い立ち、
火消しだか、火事応援だか分からない状態で駆け回り、
火事はあっという間に広がり、
江戸の町を広範囲に焼け野原にしてしまいました。

その都度、木材業者や大工たちがわいわい集まって、
ガラガラ、バッシャーン、ギリギリ、
シュリシュリ、トントン、カチカチ、と、
にぎやかに復興の道をたどったようです。

京都も、やはり冬季は江戸に似た気候なので、
幾度か大火に見舞われて、深刻な打撃を受けたようです。

現代でも空っ風はなくなっていないはず。
でも、耐火建築と防火対策のおかげで、
火事は激減しています。

不思議なのは、日本人ってかなりの工夫家なのに、
なぜ、防火と耐火建築を発展する道をたどらなかったのか?

   今よりもはるかに豊かな森林資源に恵まれていたことと、
   日本の炎暑高湿の風土に、
   煉瓦、土、石の耐火建築は適さなかったこともあるでしょう。
   ほとんどお布団しかないという簡素な生活様式と、
   日本人の新しもの好きも手伝っていたかも知れません。
   大火の後の復興が経済振興に役立つので、
   当局も大火根絶政策の必要を感じなかったかも知れません。

こうした環境のおかげで、木組み細工の建築にかけては、
大工さんたちは世界でも指折りの高度な技を磨きました。

でも、そんな大工さんたちの活躍の場は激減して、
次第に姿を消そうとしています。
惜しいですね。



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by Hologon158 | 2012-02-28 11:08 | ホロゴン外傳 | Comments(0)