わが友ホロゴン・わが夢タンバール

332.17 ホロゴンデイ85「2008年5月31日山辺の道をホロゴンが歩いた」17 ふわっとして柔らかく



宮大工小川三夫さんは、道具についても語っています。
おおよそ、こんな感じです。

    機械で机の天版をまっ平らに削ることはできる。
    でも、本当にまっ平らなんだけど、味も素っ気もない。
    かえって真ん中がへこんで見えたりする。
    手で削ることによって、手加減というのができる。
    ふわっとして柔らかくまっ平らに見えるものができる。
    それが人間の手の仕事や。
    その手加減があるからこそ、古代建築は美しい。

昔、アテネのパルテノン神殿を訪ねたことがありますが、
神殿のフロアも同様に、真ん中が少しあがっていると読みました。

今では岩がごつごつ露出した感じで、
実際にその感覚をたしかめることはできませんでしたが、
鏡面仕上げの技術はすでにあったのでしょうか?
大ピラミッドは3面全部鏡面仕上げの薄い石盤を張りつめられ、
太陽が当たると、金色に燃え上がったそうです。
エジプトを先達の文明、文化として尊崇したギリシア人です。
大ピラミッドはパルテノン建設時代にがまだ壊れていなかったはず。
だとすれば、もっとも印象的な工法を知ることができたのですから、
パルテノンの床面に利用しなかったはずがありません。

    もしそんな仕上げがなされていたとすれば、
    きっとその広大なフロア面は、
    晴れの日には、列柱の間から差し込む陽光でしま模様になり、
    曇りの日には、水面を歩くような気持ちがしたのではないでしょうか?

これら全部が手仕事だったのです。
それがどんな仕上げであり、
パルテノン神殿はアテーナイ人たちにアテナ神の家であり、
まるで神の国にいるかのような恍惚感を与えたことでしょう。

用の東西を問わず、職人たちの手仕事は歴史を、文化を創造したのです。




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by Hologon158 | 2012-06-13 00:18 | ホロゴンデイ | Comments(0)