358.23 ホロゴン外傳88「2012年4月7日天神橋商店街付近でダルメイヤー暗躍」23 三十郎効果って?
私の孫、歩行器に乗せると、これが大好きらしい。
いそいそとタンスの等身大鏡の前に幾度も突進して、のぞき込みます。
おそらくこの世で一番大好きな顔にうっとりしているようで、
それから、体をぐいと後ろに倒して遊んだり、
たえずなにか多彩な声を発しながら、
両足をいそがしく動かして前後左右自由自在に走り回ります。
絶対に休みません。
手にはお気に入りのボールをしっかり握って、
両手で持ち変えるのですが、絶対に落としません。
手が吸盤のようで、把握力がとても強いのです。
私がボールをとって、目の前で投げあげて見せると、
自分もボールを歩行器の前テーブルにポトンと落とす動作を繰り返します。
どうやら、体を自分で動かして移動できるようになってから、
頭の働きもスピードアップしたようです。
頭は体を機能的に活動させるために働き、
逆に、体が活発に活動すると、頭もいっそう活発に働く、
そんな円環プロセスがあるようです。
私が思うに、まず体が先です。
ぼけたくなかったら、一日中動き続けるべきなのです。
私は、昔から修羅場になればなるほど、
頭が高速化するという経験をしてきました。
黒沢監督の「椿三十郎」をごらんになりましたか?
三船敏郎演じる三十郎におそらく100人を超えるやくざ共が殺到します。
私の記憶では、三十郎は、爪楊枝をくわえ、
着流し懐手のままゆったりと歩いてくるのですが、
突然肩をぐいと揺すり、爪楊枝をぺっとはき捨て、
両手を懐から出して、スタスタと足を早め、
やくざ共の面前で刀を抜いて駆け出します。
このシーン、とても印象的でした。
三十郎の頭脳の動きが突然休止モードから
戦闘モードにフェイズアップしたのです。
黒沢が名監督であったゆえんをしっかり見せつけるシーンでした。
三十郎の内面をしっかりと外観で描きだしてくれたのです。
歩行器はいわば「三十郎効果」をもっているのです。
ハイハイよりもはるかに高速となることで、
頭も走行スピードにアップするのです。
歩行器による教育法を思いつきました。
1日に1個、どこかにおもしろい物をちょっとだけ頭を出して仕掛けます。
これを見つけさせるのです。
もしかすると、これがゲームであることに気づき、
毎日、そんなアイテムを探し始めるかも知れません。
さっそく提案することにしてみましょう。
by Hologon158
| 2012-07-23 21:55
| ホロゴン外傳
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