わが友ホロゴン・わが夢タンバール

368.02 ホロゴンデイ90「2008年1月19日 冬枯れの葛城古道は寂寥の地だった」2 入りづらい店



昨日の続き。
午前11時40分喫茶店を出発して、
餃子の珉珉に入ったのが午後12時35分。
今日も一応クロックワークで動いています。

高瀬川沿いの高級料亭、レストランでいくつか魅力的な店を見つけたのですが、
若いカップルの会話が私を押しとどめました。

    「ぼくらには入りづらい店ばっかりだね」
    「そうね。完全に無理ね」

彼らに無理なら、私にも無理です。
身分相応に餃子の珉珉に決めて、
餃子と豚の角煮、生ビール中ジョッキでご機嫌になっています。

キノプラズマートは188枚撮っていました。
30mm相当ですから、開放からF8まですべて、
ノーファインダー、目測でまかなえます。
おかげで快調。

豚の角煮はまずまずのお味です。
上海の下町の店で見つけた東坡肉 (トンポウロウ)は絶品でした。
蘇東坡が愛したことから、この名前が付いたそうですが、
ちょっと古すぎる感じがします。
大振りの角煮は舌の上でとろけました。
それ以来、これ以上の角煮をいただいたことはありません。
やっぱり本場が一番ですね。

茶館でいただいた烏龍茶も絶品でした。
美しいウェイトレスが私のために心を込めて入れてくれた
最初の一杯の香しさは筆舌に尽くしがたいものがありました。
残してくれた魔法瓶の熱湯を使って幾度入れても、
ますますおいしくなる感じでした。
おかげで一時間ばかり至福の境地に浸ることができました。
あてどもない一人旅というのはこの世のパラダイスですね。

私は中国語を話せません。
でも、2週間、どこに行くにも、なにをするにも、
不便を感じたことなど一度もありません。

私の歩いたのは庶民の下町とスラム。
どこに行っても、人間はやさしく親切でした。
いつ、どこに行っても感じるのはこれです。
庶民はどこでもあたたかい。

信用できないのは、エスタブリッシュメントを目指す支配層底部の連中です。
その好例がどこかの市長ですが、
彼らは自分のために平気で他人を犠牲にします。
人は踏み台でしかない。
イギリスに行っても、フランスに行っても、中国に行っても、
背広を着た連中には近づかないようにしました。
傲慢で人もなげな振る舞いで、共通しています。

庶民は、底辺に近づけば近づくほど、やさしい。
人をだますかもしれないけど、それは生活のため。
私は一度もだまされたことがありませんが、
それはどうやらそんな雰囲気があるからのようです。

本人はとんまでうっかり者なのですが、
長年絶対に油断をしない隙のないはずの職業で生きてきたので、
どこに行っても、アットホームな雰囲気で振る舞える特技が発達したようです。

前にも書いたことですが、蘇州のちょっと高級な料理店。
バンと扉を開いて、一番よい席に収まり、英語で注文しました。
嫣然とした表情の女主人、にっこりと笑って、なんと日本語で、

    「中国人と思ったのですが、
    日本人だったのですね」

私、

    「どうして中国人だと思ったのですか?」
女主人、

    「日本人は入るとき、そっとドアを開けて、おずおずと入ってきます。
    中国人はパッとドアを大きく開いて堂々と入ってきます。
    あなたは、中国人と同じ感じで入ってきました」

日本で数年出稼ぎをして、レストランを開業できる資金を
稼いだというこの女主人ととても仲良くなったのですが、
それというのも、二人とも似たような人間だったからです。

写真を撮るときも、この調子で撮ります。
堂々と撮ります。
私はただの庶民ですが、振る舞いだけはいつも、
そうして当然の人間なのである式で通してきました。
おかげで、ほとんど文句を言われたことがありません。
文句を言われても、ちゃんと処理できます。
ありがたいことです。

さて、そろそろ出発しましょう。
河原町界隈を撮ってから、祇園を少しのぞいて、
京阪で帰る、そんなルートをとることにします。
夕立風の雨はすっかり去り、完全な夏の炎天になっています。
すでに300枚撮りましたが、これからが勝負。
またわくわくしてきました。

午後1時10分出発。




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by Hologon158 | 2012-08-19 14:30 | ホロゴンデイ | Comments(0)