402.06 ホロゴンデイ98「2005年7月4日 福井県梅浦の港は雨だった」6 天も人も激動し
レマルクの「西部戦線異状なし」
新潮文庫で読んだのは学生時代でした。
もうほとんど覚えていません。
でも、うろ覚えですが、
主人公の若い兵士の最後の日だったと思います、
主人公はたしか塹壕の側に花を見つけるシーンがありました。
日々死と直面していても、
美を感じる心を失わない印象的なシーンでした。
むしろ美にすがりたい気持ちがますます増大するのかも知れませんね。
無意味とも思える毎日、
指揮官の命令どおりにただ進んだり戻ったり。
将棋の駒になって、考えることも許されない日々。
どこかに自分の心を残しておきたい、
そんなせつなさが痛いほど感じられるシーンでした。
その日、兵士は戦死します。
それなのに、戦場報告は「西部戦線異状なし」
個が個であることが許されない時代でした。
近頃、天も人も激動し、翻弄される不安な時代になってしまいました。
でも、私たちの生涯ほど平安を謳歌した時代は歴史上あまりないのです。
幸せをかみしめて、
今日この一日を自分のためにしっかりと使いたいものです。
by Hologon158
| 2012-12-06 17:48
| ホロゴンデイ
|
Comments(0)