606.01 ホロゴントラベル27「2016年3月7日キノプラズマートは三重最終日」1 萬年筆へ
近頃私のブログ作成スピードが目に見えて鈍化していますね。
理由はごくごく簡単です。
① 本ブログは純然たる倉庫。
その入り口は狭いのに、写真があんまり多すぎる。
まあ、いつでもできる、ということで、
つい後回しにしてしまいます。
では、なぜ、後回しにするのか?
なにを優先させるのか?
これが傑作!
② 近頃、クラシック萬年筆に夢中になってしまったのです。
なんのために?
という質問は後回し。
とにかく萬年筆そのものに魅せられてしまったのです。
先日友人のAKさん宅を訪問したとき、
一本の古ぼけた細い万年筆をインク壷にちょっと突っ込んでから、
私に無造作に手渡して、
「まあ、書いてみてください」
世の中、心底仰天することはあまりないものです。
でも、この万年筆には心底仰天しました。
その書き心地はまさにパラダイスでした。
AKさんの表現を借りて、「紙にすいつくよう」だったのです。
ペン先がとても柔らかく、
しかもペン先を2分する切れ目が自在に広がり、
まるで毛筆で書くような自在な幅が自然に生まれます。
紙を走るサウンドは、現代の固いペン先が作り出すカリカリとは違い、
得も言われぬようなサリサリという心地よいサウンド。
そのサウンドとともに、ペン先(nib)が紙面を舐めるように、
今まで見たことのないような流麗な書体を生み出して行きます。
と言っても、私のぎこちない下手な手が生み出すのですから、
たかがしれていますが、それでも、うっとりさせられる体験。
この万年筆こそ、ウォーターマン52。
20世紀初頭の萬年筆です。
(本物のクラシックだけ、私は「萬年筆」と呼ぶことにしました)
私の眼前に新しい世界がにわかに広がった思い。
実は私もかつては万年筆党でした。
20年以上前ですが、優れた万年筆がほしくなって、
当時のトップトリオ、モンブラン149、ペリカン、パーカーを
次々と手に入れたことがありました。
いずれも高級感溢れる作りで、紙面をなめらかに筆が走りました。
でも、ちっとも満足できませんでした。
パーカーはいかにも英語用で、ごつい字。
モンブランのペン先の感触はかなり柔らかいのですが、
その下から生まれる字は、下手は下手なりに書けるという程度で、
原稿用紙に書くのならいざ知らず、
私の字を一段上等なレベルに引き上げてくれるものではありませんでした。
ペリカンのnibが一番日本語、漢字を書きやすいものでしたが、
その高級感溢れる姿にふさわしい字は、私の手からは生まれませんでした。
重要度にあわせて記憶力の働きは変わるようで、
パーカーはどこにやったか記憶なし。
モンブランは親友にプレゼントしてしまい、
ペリカンだけは大切に手元に残してきました。
でも、ウォーターマン52は、ペリカンの高級感をもってしても
太刀打ちできないほどの魅力に溢れていました。
毛筆やカリグラフィーのような自在な書体を描きだせるnibを
フレックスと呼ぶのだそうです。
かくして、いきなりebayは、レンズではなく、
萬年筆の猟場と化してしまいました。
高いものはもちろんありますが、
私が欲しい古代萬年筆のぼろであれば、
レンズより一桁お安いのですから、たまりません。
夏目漱石が原稿書きに使ったとされる英国製の名品、
オノトと同じものも見つかりました。
細いのに、キャップを外して後部に付けると、
その長さは18㎝にもなります。
ぐいぐいと男性的に書ける中字タイプですが、
もちろんフレックス。
「ONOTO」というブランド名の由来は確定されていないのですが、
その名前をそっと呼んでみるだけで、心がふっくりとあたたかくなります。
スワンという英国製もすばらしい!
とにかくどんな風に書けるか皆目見当の付かないままに落札するのですから、
毎回がドキドキ。
でも、ほとんど外れはありません。
以上のような次第で、今、私は萬年筆に夢中なのです。
ブログは三の次。
なぜって、毎晩、韓流ドラマは書かせませんので。
by hologon158
| 2015-07-08 16:01
| ホロゴントラベル
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Comments(2)
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by
k7003 at 2015-07-09 06:58
「韓流ドラマは書かせません」、筆先が滑りましたか(^_-)
0
Commented
by
hologon158 at 2015-07-09 16:38