611.04 ホロゴンデイ133「2015年8月21日ホロゴンは日本橋の裏通りを駆け抜けた」4 ウォーターマン54
オークションサイトのebayをかなり利用しています。
レンズと萬年筆をかなりebayで入手しました。
実物を見ないで、触らないで買うのですから、
かなりのリスクがあります。
でも、クラシックカメラ店で買うにしたところで、
実写テストをさせてくれるところは稀。
萬年筆に至っては、クラシック萬年筆店なんてありません。
昨日、心斎橋店で高級万年筆店を見かけました。
いかにも高価そうな万年筆が並んでいました。
でも、入る気にはなれませんでした。
1900年代前後の古代萬年筆なんて影も形もないからです。
ebayで古代萬年筆を入手するのは、それなりにリスクがありますが、
書き心地に至っては、天から地まで多種多様で、
もともと予測不能である点は占いに劣りません。
でも、意外な掘り出し物に出会えるのですから、楽しい。
1ヶ月前、すてきなウォーターマン54を落札しました。
普通黒くくすんだものが多いのですが、
これはオレンジ色に艶やかに輝き、
ペン先もあまり使用感がないほどに美しい。
71ドルですから、驚くほどに安価ですから、まったくの幸運。
ところが、一ヶ月経っても、届きませんでした。
しびれを切らして、まだ届かないとメールしました。
ebayはPaypalという独自の機関を通じて支払いをします。
このようなメールはPaypalが管理しているようです。
ただちに売り主から返事が来ました。
「すまない。ウォーターマンじゃない可能性が明らかになったので、
その確認のため遅れてしまった。
もしキャンセルされるなら、それでも結構です」
でも、商品写真をチェックすると、
外観そのものは、ウォーターマン52の古代物とは思えないほどに、
とても美しく艶やかです。
ペン先はウォーターマンの刻印がしっかり刻み込まれ、
姿形も標準的なものです。
クラシック萬年筆のコレクターの先輩である親友のAKさんからは、
こう聞いていました、
「クラシック萬年筆の場合、ペン先の偽造はまずありません。
今では、当時の金ペンを作ることすらできないうえ、
わずか1万円そこらのものをわざわざ偽造するには、
手間と費用がかかりすぎます」
とすると、もし偽造の可能性があるとしたら、
ウォーターマンではないペン本体に、
ウォーターマンのペン先をはめ込んだという、
ごまかしかも知れません。
でも、そんな風にしても、ペン先はれっきとしたウォーターマン。
キャップが壊れたりしてなくなっているために、
別のキャップで間に合わせている例はいくらでもあります。
でも、キャップで字を書くわけでなし、
将来の騰貴のために買うわけでもなし。
かえってありがたい。
たしかに今回のウォーターマン、他ではみかけない見事な作りです。
オリジナルでないとしても、むしろ素敵な一品ものだし、
実に見事にペン先が収まっています。
ただちに返事しました。
「そんなこと気にしないから、さっさと送ってください」
折り返し、アメリカから、発送しましたとのメール。
どうやら、予期しない廉価で落札されてしまったので、
なんとかキャンセルさせたいと考えたようです。
ご愁傷様。
ただし、このウォーターマン54、
標準的な52よりも大きな4号ペン先が付いていて、
売主の説明ではnon-flex.
ウォーターマンの20世紀初頭のペンがフレックスでないなんて、
本当なのでしょうか?
実は別にウォーターマン14を手に入れています。
これも4号ペン先で、今回の54にかなり似た感じ。
こちらはセミフレックスです。
同程度だとすれば、それはそれで見事な書き味。
楽しみにしています。
by hologon158
| 2015-08-27 22:54
| ホロゴンデイ
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