わが友ホロゴン・わが夢タンバール

625.02 ホロゴンデイ154「2015年12月1日ホロゴン15㎜F8UFが高畑町で」2-完-サージェント



昨夜ふっと目に留まったので、
書棚から水彩画集を取り出しました。
ジョン・シンガー・サージェント
ぱっとめくって見る、そんなことを繰り返して、
そのたびに、賛嘆のため息......
文字通り「水も滴るような」絶妙な水彩表現にため息。
水彩も見事にこなしたアンドリュー・ワイエスや
ギュスターブ・モローとはまた違った、
そして、こちらの方が正統派と思える、
いわば当たり前の水彩画の極致がここにあります。

この3人、私にとっては美の世界の輝ける珠なのです。
ダ・ヴィンチやフェルメールやベラスケスが
近づきがたいヒマラヤとしたら、
ワイエスたちは故郷の山のようです。
近づきがたい偉容ではないんだけど、心の永遠のふるさと。
なぜ?
対象と向かい合う画家の心がやさしく震え、
その心映えが筆にも伝わっていく、
そんな感触がいつも感じられるからです。
でも、魔法の世界。
どうして、こんな風に春風駘蕩という風情で書き流して、
こんなに実在感、情感を醸し出せるんだろうか?

私は混沌カオスを生来好んできました。
そのせいか、私の書斎はいつもごった返してきたのですが、
それが平気どころか、居心地が良い。
きちんと整理してしまうと、かえって居心地が悪い。

写真でも同様です。
よく「画面を整理しなさい」と言われます。
私はこの整理をするつもりがありません。
「構図を常に考えなさい」とも言われます。
私は構図をできるだけ無視することにしています。

ロボグラフィという意識が強くなってからは、
画面中心またはいっぱいにのさばるものをどんと撮る、
実に単純で簡単な撮り方に徹しています。
でも、本当に好きなのは、
画面全体に充満する混沌を撮ること。

写真家も写真愛好家も、原則としては、
美しい光景を美しい構図で撮った写真をこよなく愛します。
美しくないものをハチャメチャの構図で撮ったものからは、
思わずたじろいで、目を背けます。
写真愛好家のほとんどの方がそうです。
理解不能なものは本能的に遠ざけてしまう。
なんでこんなものをこんな風に撮ったのだろう?
なんて、真剣に見つめ、まともに考えることなどしません。

写真撮影者が村上春樹だったら、一応考えるでしょう。
でも、それは見る人が小説家村上春樹を理解する参考にしたいから。
だれもHologon158なんて知らないので、
そんな気持ちなど浮かぶはずもない。
それでいいのです。
人生老いやすく、です。
無意味なことに心を費やす必要などないのです。

サージェントの水彩画を繰っているうちに感じたのは、
「あたたかい親しさ」でした。
ベルグソンは、人はすべてを心の中に記銘するが、
想起するものはその一部であると言いました。
私はワイエスやモローやサージェントを繰り返し見てきました。
記憶が悪い私でも、心の中になにかが残るようです。
そして、なにか、生まれて初めて出会ったなにかに対面したとき、
そんな記憶がどこかによみがえって、
なぜか懐かしい気持ちになって、感じるのです、
ああ、これだ、これを撮りたかったんだ!
私のロボグラフィはそんなものばかり。

だけど、仮に私の写真をごらんになる方がおられても、
私が感じたような懐かしさは期待すべくもない。
すると、ロボグラフィに感じるのは
よそよそしさ、疎外感だけかも知れない。

ほんの一握りの人は、私とは異種であるかも知れませんが、
そんな懐かしさ、親密感をロボグラフィに感じるかも知れません。
でも、ほとんど期待薄。
だから、私のブログはどこまでも辺境ブログであり続けるのです。



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by hologon158 | 2015-12-16 22:54 | ホロゴンデイ | Comments(0)