わが友ホロゴン・わが夢タンバール

626.10 ホロゴン外傅155「2015年12月12日大和路ならPetzvalにお任せ」10 フィルム交換



キューブリックの証言のもう一つの傍証。
6回のアポロで持ち帰った写真は万単位なのだそうです。
ところが、飛行士が胸に付けていたのはハッセルブラッド500ELです。
長尺フィルムはたしか250枚しか撮れません。
仮に6回の月着陸で1万枚の写真を撮ったと仮定しますと、
少なくとも40回のフィルム交換が必要でした。
つまり、多めに見積もって1回あたり7回の交換、
二人の飛行士が各1台のハッセルと胸に付けたとすると、
1回あたり3.5回のフィルム交換をしたことになります。

飛行士が付けていた手袋は、
指先が被覆されて、細かい操作など絶対にできません。
そこで、飛行士は着陸船の梯子を上って機内に収まり、
手袋を脱いで、フィルムの脱着をすることになっていました。
ところが、どのアポロか忘れましたか、
こんな交信が記録されているのです。
飛行士「フィルムが切れました」
NASA「機内に戻ってフィルムを交換してください」
飛行士「いや、外で交換します」

あなたはハッセルのフィルムを交換したことがありますか?
私はあります。
記憶と飛行士の胸部のセッティングとを考慮して、
飛行士がなすべき操作を推測してみますと、
おおむね次のような手順になりそうです。

1 胸の固定装置からカメラを外す。
2 フィルムの完全な巻き上げを再度確認する。
3 本体のどこかに装備された遮光板を取り出す。
4 フィルムカートリッジのスリットに遮光板を挿入する。
5 カートリッジの横滑りの小さなボタンをずらして、
カートリッジを本体から外す。
6 カートリッジをオープンする。
7 撮影済みのフィルムを取り出して、封緘する。
8 これをどこかに仕舞う?
(長尺のフィルムですから、かなり大きい。
これをいったいどこへしまったのでしょう?)
9 フィルムカートリッジに残されたフィルムの芯を取り出して、
10 巻き上げ側にその芯をはめ込む。
(これもとても微妙な作業を必要とします)
11 交換フィルムをどこからか取り出して、
(一体どこから?)
遮光ケースから取り出す、または遮光された袋を破って取り出す。
12 フィルムの封印を切って、カートリッジにセットする。
13 その末端の遮光紙をどうにかつかみ、
巻き上げ側の芯のスリットに差し込み、
きちんセットされたことを確認の上、
14 レバーで少し巻き上げて、弛みをとる。
15 カートリッジのカバーを元に戻して、パチンと完全に閉じる。
16 このカートリッジをカメラ本体に取り付ける。
17 遮光板をスリットから抜き取って、どこかに仕舞う。
18 シャッターを押して、フィルムを1枚目まで巻き上げる。
19 撮影番号の窓に「1」が表示されるのを見て、
巻きあがったことを確認する。
(これをしなかったばかりに、きちんとフィルムが巻きあがらないまま、
幾枚も空撮りしてしまった経験、あなたもおありでは?)
20 胸の固定装置に固定する。

やれやれ、書き出すだけで、疲れました。
なんとまあ、私が推測できるだけでも、
最低20の完全に順番の決まった動作を完了しなければならない!
このどれか1つでも失敗すると、撮れない!
文字通り、撮れないのです!
こんな面倒な手順を、ミッションの間に、
一人当たり3回半平均繰り返したのです!

慣れたカメラマンでさえ、裸の手でやっても、至難。
薄いレザーの手袋なら、かろうじて作業できます。
でも、分厚いレザーとか毛糸の手袋を付けたとたん、
作業は絶対にできません、少なくとも私には。
だから、真冬でも手袋は脱いでフィルム交換しました。
まして、宇宙飛行士のぶあつい被覆に保護された指先では、
「絶対に」不可能です。

だから、船内に戻って、どういう手順か知りませんが、
船内を空気で満たしたうえ、手袋を外し、ヘルメットを脱いで、
裸の手で交換作業をする必要があったのです。
(先に手袋を外して、自由に指が動くようにならないと、
ヘルメットの着脱なんてできなかったでしょうし、
ヘルメットを脱がないで、上記の細かい作業などできなかったはず)

「船外で交換するよ」と飛行士が軽くのたまわったのは、
本当にハッセルと使って撮影していたとすれば、
撮影のアシスタントにしてもらったのです。

NASAが偽りの月面着陸ビデオを撮影する際、
なぜハッセルにこだわったのでしょうか?
それは長尺フィルムカートリッジの電動カメラが
ハッセルブラッド一社しかなかったからです。
しかも、ハッセルに付いていたのは世界最高のツァイスレンズでした。
それなのに、船外でフィルム交換をやってのけるビデオを撮って仕舞う。
なんと抜けたミスなのでしょう。
キューブリックがそのお笑い草に気づかなかったはずがありません。
でも、わざとそのままにしたのです。
合衆国政府側の人間たちはどうやらハッセルなど使ったことがなかったので、
それがどんなに複雑微妙な作業なのか、完全に無知だったのです。

このこと一つをとっても、あまりにも怪し過ぎます。




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by hologon158 | 2015-12-26 15:33 | ホロゴン外傳 | Comments(0)