わが友ホロゴン・わが夢タンバール

628.03 ホロゴン外傅156「2015年5月19日キノプラズマートの加美」3 吉田蓑助



水曜日、文楽新春公演でした。
私が文楽を愛するようになったのはまだ30台の頃からですから、
かなり年季が入っていることになります。

紋十郎が去ったばかりで、
先代の豊松清十郎、越路太夫、津太夫が健在で、
先代勘十郎と玉男が人形遣いの双璧で、
そして、若手の吉田蓑助が天才ぶりを発揮し始めていた時代。

朝日座で公演されていたのですが、
私は平日仕事帰りに夜の公演に行くのが常。
客はほとんど居ませんでした。
客は男8、女2ほどの割合、今の丁度逆。
かぶりつきの客席でくつろぎ、弁当をほおばりながら、
眼は舞台に釘付け、耳は義太夫の語りに集中していました。

2度は観たと思いますが、玉男と蓑助の曾根崎心中は、
この世の悦楽でした。
このお二人の人間国宝はとにかく超絶的でした。
その玉男が去り、今残るのは蓑助一人。

驚いたことに、若手ががんばっています。
蓑助や三味線の寛治のような大先輩の教育が
功を奏しつつあるようです。
風格を備えつつある人が数人居ます。
驚き。

でも、いつまで経っても、一番の驚きは、
吉田蓑助。
もう80に手が届き、一度は脳出血で倒れたのに、
近頃はもう神業に近い。

蓑助は確かに背後に佇立しています。
でも、そこには人形の姿をした生身の女性が居て、
愛に、人生にもだえ、心の全てをさらけ出します。

若手の豊松清十郎や吉田和生もどんどん成長していますが、
ああ、蓑助のような天才ではない。
蓑助の人形を見て、彼らも絶望を感じているかも知れません。

でも、いつの公演か忘れましたが、
客席の後ろの暗がりにそっと潜んで、
舞台を注視する蓑助の姿に気付いたとき、
ああ、この人は、いつまでも努力を忘れない人だ、
そう分かりました。

世の天才たちが10人寄っても、及ばない、
いわば神の域に達した偉大な芸術家たちが居ます。
フェイディアス
ダ・ヴィンチ
フェルメール
モーツァルト
バッハ
このような域に達している、そう言ってしまいたいほどに、
蓑助は偉大です。

私たち夫婦は固く約束しています、
蓑助が舞台を去るまで、全公演拝見させて頂こう!

大げさだとお思いなら、まあ、一度ご覧になって下さい。
もしあなたが感じる心をお持ちなら、
ご自分の眼を疑ってしまうでしょう?
人形なんかじゃない!
ちゃんと血と肉をもった女性だ!




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by hologon158 | 2016-01-15 22:39 | ホロゴン外傳 | Comments(0)