わが友ホロゴン・わが夢タンバール

631.02 ホロゴンデイ157「2015年12月9日東山36計ホロゴン任せに如かず」2 ソクラテス



寒さがぶりかえしましたね。
月曜日は揚琴レッスンの梯子日でした。
iPhoneでチェックすると、朝8時半の大阪は−2!
でも、10度まで上がる予報ですが、念のため、
ダウンの下にインナーを着込んで出かけました。
これでヌクヌク。

この寒さで、ソクラテスのことを思い出しました。
ペロポネソス戦役の最中、アテーナイは、
反旗を翻した支配下のポリスに遠征します。
北方のポテイダイアというポリス。
ときは厳寒。
その兵士の中にソクラテスが加わっていました。
彼はアテーナイの市民ですから、
重装歩兵(ホプリテース)として従軍していたのです。

でも、私にはどうしても想像できないことがあります、
ソクラテスが鎧兜に身を包んで、
敵兵と死闘を繰り広げるシーン。

プラトンの対話編「饗宴」で、
彼に愛された英雄アルキビアデースが賛嘆の意を込めて語ります。
彼はこの戦役だっと思いますが、騎兵として加わっていて、
アテーナイ軍が敗走したときのお話。
一群の歩兵の中に師の姿を見つけて、
敵兵を騎馬で蹴散らして、支援したのですが、
ソクラテスは、敗走にもかかわらず、
堂々と歩みを進めて、敵を寄せ付けなかった。
この姿は間違いなくソクラテスの実像です。
死刑を受けて、その処刑の日になっても、
悲しむ家族、弟子たちの中で、
一人平然としていた人なのですから。

そのソクラテスの厳寒シーンもまたリアリティにあふれていて、
歴史に偉人の姿をとどめた、一つの奇景として、
永遠に人類の宝となるでしょう。

ポテイダイアの攻囲戦のさなか、
夜のアテーナイ軍の陣営。
アテーナイ軍も、ローマ軍に似た野営をしたようです。
陣地の中央に十字の形に道をもうけて、
往来しやすいように設置したのです。
ローマ軍同様、周辺に堀(空堀かも?)を設け、
柵を巡らしていたのでしょう。
深夜です。
その交差点に幾人の兵士がおそらく夜警として屯していました。
その兵士たちの目撃談だったと記憶しています。
ソクラテスがやってきたのです。
厳寒なのに、裸足にサンダルの軽装です。
交差点でふと立ち止まり、深い思索に沈潜したらしい。
身動き一つしなくなりました。
兵士たちが興味津々で眺めている前で、
ソクラテスは日の出までそうして立ち尽くしたそうです。
日の出とともに、ふと我に返り、
祈りを捧げてから立ち去ったと言います。

一つの思索の筋が決着を見たのでしょうか?
その思索の徹底性、
思索の集中力と深さ、
厳寒などものともせぬ強靱な体力、
圧倒的です。
インナーなんか持ち出して着込んでいる私とは、
心身両面で足下にも寄れませんね。

彼は石工だったのではないかと言われています。
どうも正確なところは分からないようです。
でも、プラトンの対話編で、
彼は内外の重要人物たちと対等の姿勢で堂々と渡り合い、
大抵、遠慮会釈なく徹底的にやりこめます。
謙虚な反省力と卓越した思考力を持つ人物なら、
その体験は衝撃的な自己認識と啓発のチャンスとなったのですが、
高い社会的地位と世評にあぐらをかく名士たちは、
狡猾なソフィストに足下をすくわれたと悔しがり恨んだことでしょう。

アテーナイのドラマ史上最高の喜劇作家アリフトファネスは、
ドラマの中でソクラテスの対話をパロディとして取り上げます。
ソクラテスはわざわざ席から立ち上がって、
観衆たちににこやかに一礼したそうです。
彼が一個の名物的存在だったことは明らかです。

映画「アマデウス」で、ウィーンのオペレッタで、
モーツァルトの「ドン・ジョバンニ」のもじりが出て来るシーン、
これを思い出しました。
居合わせたモーツァルトも立ち上がってにこやかに一礼します。
でも、二人とも、苦々しい思いを噛みしめていたでしょう。
完全に新しい世界を切り開いたのに、理解してもらえない。

それはそれとして、上記のようなデータに、
彼がアテーナイの青少年をまどわせる
危険な存在として死刑に処せられてしまうことも考えあわせると、
ソクラテスという人物、ポリスの中に厳としてそびえたつ存在であり、
社会的にもかなり地位の高い存在だったことは疑えません。




c0168172_2217223.jpg
c0168172_22171447.jpg
c0168172_2217780.jpg
c0168172_2217155.jpg
c0168172_22165541.jpg
c0168172_22164956.jpg
c0168172_22164388.jpg
c0168172_22163837.jpg
c0168172_22163239.jpg
c0168172_22162687.jpg
c0168172_22162041.jpg
c0168172_22161492.jpg
c0168172_2216643.jpg
c0168172_221608.jpg
c0168172_22135236.jpg
c0168172_22134482.jpg
c0168172_22133853.jpg
c0168172_22133143.jpg

by hologon158 | 2016-02-10 22:26 | ホロゴンデイ | Comments(0)