わが友ホロゴン・わが夢タンバール

634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!


Mマウントアダプタが我が家に来て以来、
始まったのは、レンズルネッサンス!

ソニーα7を土台として、ライカのM、Lマウントレンズたち、
最短撮影距離が飛躍的に短縮されました。
Mマウントアダプタが4㎜のヘリコイドリング付きだからです。

人間でもそうじゃありませんか?
距離が遠い、どうも疎遠で、親しみがない、
そう思っていた人と、たとえば、一緒に吞んだ途端に、
ぐっと心を開き合う関係になる、なんてことが起こります。
接近すると、これまで見えなかったものが見え始める。
人間なら、心が見えるようになる。
ロボグラフィなら、路傍のものたちの意外な側面が...

タンバールはライカLスクリューマウントです。
35㎜フィルムカメラ、バルナック型が発売されたのは1925年。
タンバールの発売は1935年ですから、たった10年で、
こんな個性的レンズを生み出した!

でも、実のところ、このレンズの実態は現在までほとんど朧です。
歴史上、このレンズを使った最高の写真家は木村伊兵衛ですが、
「こんなレンズを使っていたら、ただのアルチザンになる」
そう友人に言われて、使用を止めたという逸話があります。
とても残念ですね。
さて、彼がそれまでにどれだけ使ったのでしょうか?
彼の名作も含めて、露出をオーバーにして、
白く飛んだ画面にふんわりの美女が浮かび上がる、
そんな写真が沢山出回っています。
私もそんな写真をかなり撮りました。
ハーフトーンの世界。

最短撮影距離が20㎝ばかり短縮されたタンバール。
これぞ、まさしくニューレンズ。
このレンズが教えてくれました、
そんあ撮り方ばかりがタンバールじゃない!
Mマウントアダプタがすべてを変えました、
撮り方も、撮られた光景も、被写体も。
私が通天閣界隈で撮った写真で、
そのあたりを確認してみましょう。

私は通天閣を撮影するとき、JR新今宮駅で下車します。
裏通りから飛田本通商店街に入り、
この釜ヶ崎のいわばメインストリートを南まで下って、
それから反転して、さらに商店街を撮影しながら、
通天閣に向かいます。

とても有名な飛田新地が周辺に広がり、
私も二度撮影しました。
真っ昼間から営業なさっているのですが、
そのような皆さんを撮影するわけに行かず、
さりとてロボグラフィもさほど豊かに用意されていない、
ということで、長い間ご無沙汰しています。

商店街の方はお店の半数以上が店を閉じていて、
商店街としてはかなり暗い雰囲気。
ただし、だからかも知れませんが、
かなり楽しいロボグラフィで一杯。
私は大好きです。

そんなところが撮影して、なにか言われないの?
怖くないの?
そうご心配の向きもあるかも知れませんが、
私は、バンコクのスラムだって、
上海の迷宮スラム豫園だって、平気で通いました。
意外ですが、住民はとても優しく、和やか。
どこの国でも背広を着ている連中の方がもっと怖いですね。
この人たち、ロボグラフィにもなりません。
だから、この連中とのお付き合いは御免こうむって、
私は庶民の街の撮影の方に専心させていただいています。

その商店街でタンバールを撮ってみて、
文字通り、びっくり仰天!
なんだ、これは!??
まさに、タンバールルネサンス!

19世紀中葉のレンズ草創期から1930年代まで、
これがレンズの黄金期のようです。
みんな個性的、ロボグラフィを絵画に変えてくれます。
現代レンズはもっともっと高性能ですが、
ロボグラフィをデジタル写真に変えてくれるだけ。
現代人はもちろんこちらの方が大好き。
多くの人の目には、
昔のレンズ、昔の色など、欠陥だらけの失敗写真。

一方、私の目にはこの欠陥こそ天国への梯子。
私は現代レンズなんか、絶対に、
文字通り、絶対に使いませんが、
古代レンズなら、ありったけ使ってみたい!

その最高峰がペッツヴァールなのですが、
いやいや、タンバールだって、凄いじゃないか!
11回シリーズで200枚ばかり並べてみます。
なんだ、こんな写真、ただのぼけ写真じゃないか!
そんな印象を抱かれたとしたら、悪いことはいいません。
このブログに来るのはよしましょう。
そんな写真しか並びませんから。




634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21454774.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_2145427.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_2145362.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21453046.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21452369.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21451828.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21451226.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_2145750.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_2145175.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21445570.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21445012.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21444419.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21443845.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21443290.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21442681.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21442199.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_2144161.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21441045.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_2144594.jpg
634.01 ホロゴン外傳160「2016年2月25日タンバールも通天閣で華開いた」1 タンバールルネサンス!_c0168172_21435912.jpg

by hologon158 | 2016-03-11 21:52 | タンバールドラマ | Comments(2)
Commented by korekazu at 2016-03-11 21:58
極めてらっしゃいますね。オールドレンズの魅力満載でそちらの世界に引き込まれそうです。

飛田、西成、私も好きでよく撮り歩きますが、今はむしろミナミの方が物騒な気がしますね。梅田ではあのような事故がありましたし。
Commented by hologon158 at 2016-03-13 16:38
korekazuさん
ありがとうございます。
オールドレンズファンにとって、関西に住むということは、
一つの特権だと思いますね。
オールドレンズでこそ撮りたい、
そんな被写体が至る所に転がっているのですから。
なんだか物騒なところほど、そうだ、という感じがしますね。