わが友ホロゴン・わが夢タンバール

637.04 ホロゴンデイ160「2016年3月5日ホロゴンと葛城古道の相性は抜群」4 何が彼らを?



3月26日土曜日の撮影。
清水寺の門前に上り、それから三寧坂、二寧坂を下りました。
清水寺も含めて、あらゆる観光地で、
これまでに出会ったことがないほどの押すな押すなの雑踏、
坂だらけの行楽地だけに、危険を感じるほどでした。

甲子夜話に書かれた逸話を思い出します。
江戸時代の行楽シーズン、
江戸大橋だったと思いますが、
橋を渡る人たちがまさに押すな押すな、
というより、押せ押せゴンボの大混雑。
その重みに耐えかねたのでしょう、橋桁の中央付近が突然陥没し。
その大きな穴から、後ろから押し出された群衆がどんどん転落し、
溺死、圧死の数は何百を数えたそうです。
それでも、前方でなにが起こっているか分からない群衆は
ぐんぐんと押してきます。
突然、侍が一人、剣をぎらりと抜いて、
まさに大段平を頭上高く振り回しながら叫んだそうです、
「寄るな、下がれ、下がれ!」
もちろん自分が助かるためだったのでしょうけど、
頭上に大段平を見て、群衆はわっと後戻りを始め、
橋からどんどん逃げ出して、
それ以上の被害者を出すことなく終わったのだそうです。
その侍の名前は不明のままに終わったのですが、
いつの時代にも、このようなパニック状況で
最適の解決策を瞬時に思いつける機敏な人間は欲しいものです。

でも、三寧坂あたりでこのような事件が起こると、大変ですね。
昔は一日に数人だった貸し衣装の和服姿の男女が10人に1人、
というような状態なのですから、
あっと言う間に着物の裾に足を取られて転倒し、
群衆もその上に折り重なるという事故が随所に発生するでしょう。

そんな事故は幸い起こらなかったのですが、
私の目は群衆の姿に大災難。
ぞっとするほどに奇抜で悪趣味の極致のような和服と化粧。
どんなに穏やかな表現を探しても、
ワルプルギスの夜の百鬼夜行そのものという感じ。
ぎらぎらの厚化粧で、はったと見据えながら、
ぐんぐん大股で歩く姿が、人間とは思えない感じさえあります。

日本の伝統としての和服を仕立てる人たち、
デザイナーが一切関与していない、完全にど素人がデザインし、
ど素人が素材を用意し、ど素人が仕立てたとしか思えない、
「誰も経験したことがない醜悪」をデザインコンセプトにした、
としか思えない色と柄と仕立ての仮装用の着物まがい。

ほんのり頬を染めて、
小幅の美しい足取りと着物さばきで楚々と歩む、
なんて女性にはついに逢えずじまいでした。
私の結婚式の招待客には、
妻が家庭教師をして大学に受かったばかりの女性が出席して、
ピアノを弾いてくれました。
大柄なのに、まるで蕾のように初々しい表情と振る舞いで、
ほんのりとした色の模様が配された白い着物姿が気品に溢れ、
幼稚園の甥がうっとりと見上げていたことを思い出します。
もちろんアイシャドウもツケまつげもなし。
ああ、そんなお嬢さんたちがまだどこかに居るはず。
でも、ストリートからは姿を消してしまいました。

私の孫プリンセスの上の方は1歳3ヶ月ですが、
もう少女の風情が現れつつあります。
美しい肌、きらきらと輝くまなざし、あどけないほほえみ、
みんな昔の女性たちと共通の風情があります。
あのストリートをガッポガッポと伸し歩く女性たちも、
歩き方、振る舞いを改善し、化粧をあらかたとってしまえば、
昔ながらの大和撫子の素顔美人がいるんじゃないでしょうか?
それとも、私のセンス、好みが古すぎるのでしょうか?

大学一年生の頃のことを思い出します。
友人の一人が、電車の中に着物姿の女性の姿を見つけて、
「ワー」と声を上げながら駆け寄っていきました。
そして、女性の顔をのぞき込んだ瞬間、
「ワー」と叫びながら顔をのけぞらせ、逃げ帰ってきました。
実に無邪気な男ですが、
私だって、二寧坂の終点近くの細い路地から、
突拍子もないほどに奇抜な柄の深紅の着物を鎧のようにまとい、
頭はキンキラ、顔はギロギロという感じで、
若い女性が出現したときには、思わずそうしたくなりました。

なにが彼らをそうさせるのでしょうか?
私が切実に感じるのはこの問いなのです。
若い女性たちにそうさせるほどに、
不毛で不安な社会が進行して、
人々の心を知らず知らずに乱し、荒ませているのは?





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by hologon158 | 2016-03-30 18:18 | ホロゴンデイ | Comments(0)